ルネサスエレクトロニクスは汎用マイコン等を使用した「組み込みセキュリティソリューション」の提供を順次開始する。第1弾として、6月27日に「RX231通信セキュリティ評価キット」の提供を開始した。
本キットはIoTのエンドポイントにおけるエッジデバイスとなる組み込み機器に必要なセキュリティを実現するために、同社製汎用マイコン「RX231」に内蔵されるトラステッドセキュアIPにより、ハードウエアで確実に守る強固なセキュリティ機能を実現。無線LAN、USB等の通信経由による不正なプログラムのインストールを防止する「セキュアファームウエアアップデート」と、実行を防止する「セキュアブート」および、情報の盗聴を防止する「暗号通信」が可能となる。
さらに、「RX231」を搭載した評価ボードと無線LAN拡張ボード、セキュリティと通信のソフトウエアを提供するため、セキュリティや通信の未経験者でも短期に開発が可能となる。
産業機器もあらゆる機器がインターネットにつながるIoTへの対応が進んでいるものの、機器自体でのセキュリティ対策は開発の難易度や開発時間の増加につながりやすく、あまり進んでいないのが現状だった。今回のキットを活用することで、産業機器の開発エンジニアは、容易に機器にセキュリティ機能を組み込むことができる。
現在、汎用マイコンの市場は5~6%がセキュリティ機能付になっているといわれており、2020年にはその比率が10%を超えるとの見方もある。同社も今回の評価キットを皮切りに、順次ラインアップを強化するとしている。