日本ダイレックス(東京都千代田区、若山政敏代表取締役)は、米OWL社の一芯一方向通信ソリューション「デュアルダイオード」をエネルギーや製造工場、プラント、水処理、金融など重要インフラ向けに発売する。
企業の上位ネットワークや外部ネットワークと制御システムの接続が進むなか、外部からのサイバー攻撃に対して高い防御性能を持つセキュリティ技術が求められている。最大の防御方法は、他のネットワークと物理的に分離・遮断すること(エアギャップ)だが、それを行うとすべての通信が不可能になる。ネットワークへの接続とセキュリティの確保の両立が大きな課題となる。
同製品は、送信専用通信カードの発光素子(LED)と受信専用通信カードの受光素子(光検出器)を一芯光ケーブルでつなぐ光方式を採用、両通信カードを直列に接続して利用する。通信信号が送信・受信の逆方向に伝送されることがなく、ハードウエアベースの一方向通信を実現。受信側からの通信は物理的な遮断に相当する分断状態となる。
送信側では、産業制御システムなどが使う各種プロトコルを、送信専用マザーボード上に搭載されたプロキシ機能を使い、産業制御システム側には代理応答を返し、受益者側には一方向通信を行う。受信側は、受信専用マザーボード上に搭載されたプロキシ機能によって、受益者側の業務系ネットワークに使用されるプロトコルに対して代理応答する。それぞれはモジュール化して搭載。両側の各ネットワーク内では双方向通信をしながら各エンドポイントが終端・保護されており、境界での一芯一方向通信を実現している。
OWL社の同製品は、アメリカを中心に欧州、中東を含めグローバルで2000以上のシステムの導入実績がある。発電・変電・配電設備、鉱業、製造プラント、石油・ガスプラント、水処理・廃水処理、金融・銀行など主要インフラ事業者に幅広く導入されている。