日本製の半導体とFPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置の2016年度販売高が1兆7662億円と、07年以降最高額になる。特にFPDは15年度比41.1%の大幅な増加で、中国や韓国でのLTPS(多結晶シリコン)プロセスやOLED(有機EL)向け、第6世代(G6)の投資が増加すると見ている。
日本半導体製造装置協会(SEAJ、牛田一雄会長)がまとめた16年度~18年度までの日本製半導体とFPD製造装置の需要予測によると、16年度が15年度比9.8%増の1兆7662億円と大幅に増加する。今年1月の予測からは約60億円の増加であるが、15年度の実績が予測より約700億円少なかったことから、伸び率が5.5%から9.8%と大きな伸びになった。
半導体製造装置は、16年度は先送りされていたファウンドリおよび大手ロジックメーカの投資が回復し、3D-NAND投資も期待できることから2.7%増の1兆3439億円、17年度は0.2%増の1兆3468億円、18年度は世界経済も安定と成長を取り戻すとして7.1%増の1兆4424億円と予測。3年間の平均伸び率は3.3%としている。
FPD製造装置は中国・韓国市場の旺盛な設備投資に加え、台湾、日本市場も増加することから16年度販売高は41.1%増の4223億円、17年度は引き続き中国・韓国市場の設備投資が継続するが、調整局面となり、9.9%減の3805億円。18年度は大型パネル向け投資を見込むが、2年間続いた積極投資の影響から19.8%減の3050億円と予測。3年間の平均伸び率は0.6%としている。
ディスプレイ市場は、数量でスマートフォンが、面積ではTVが牽引しており、TVは大型化と4K・8Kの高精細化が進むものの、価格低下により金額市場規模としては増加しない。スマートフォン、TV以外の大・中小型パネルは供給過剰であり価格下落が進みパネルメーカの利益率を圧迫しており、今後はより付加価値の高い高精細パネルやOLEDパネル生産へ向かうと予想している。
また、設備投資の中心は中国市場と韓国市場であり、LTPSプロセスやOLED向け、G7が増加する。さらに16年~17年にかけては台湾および日本における投資増も期待。18年からは大型パネル向けG10・5の投資を見込むものの、パネルの需給動向及び中国におけるパネル製品の立ち上がり等が更なるパネル価格下落を生じる可能性もあり、設備投資計画への影響が懸念している。