オムロンは、自動車部品など、主に金属部品加工工程で用いられる切削油に対する耐久性を高めたセンサやスイッチなど「耐環境シリーズ耐油コンポーネント」200機種を、7月1日から一斉に発売した。
今回発売した200機種は、近接センサ、リミットスイッチ、ファイバユニット、光電センサ、接続コネクタなどの主要なFA用機器で、全機種で耐油実力値4年を実証。耐環境性能に優れた製品の品ぞろえを一斉に強化することで、加工工程において生産設備が突然停止するリスクを大幅に低減し、自動車生産ラインの長期的な安定稼働に貢献する。
FA用機器の故障原因は、振動や衝撃、周囲温度、粉じんによる影響など多岐にわたるが、中でも切削油の浸入が全体の3割に上るとも言われている(同社調べ)。アルカリ成分の含有が多い水溶性切削油の使用が増加したことが、ゴムや樹脂部の劣化を速め、FA機器の短期間かつ突然の故障につながり、生産稼働率を低下させる大きな要因になっている。
同社は、FA機器に対する水溶性切削油の浸入経路を徹底的に分析し、材料の強化や封止工法を進化させることで、独自の封止構造を確立。大手切削油メーカーとも連携し、JIS規格で定められた基準よりも厳しい独自の評価基準で試験することで、耐油実力値4年を実証した。