日本電機工業会(JEMA)が提唱している産業用オープンネットワーク「FL-net」と、日本ロボット工業会(JARA)が提唱している異なるFA機器を共通のソフトウェアで管理できる規格「ORiN」との相互接続が実現する。これにより、日本発の技術が連携することになり“真”の産業用オープンネットワーク実現に向けて、日本連合として対応を強める。
FLーnetは、FA・LInk・Networkの略称で、産業用ネットワークの大きなユーザーである自動車工業会からの要求仕様に基づいて制定された。現在は、自動車や半導体製造などの加工組み立て産業をはじめ、プロセス産業、食品・薬品産業や、公共・社会システムなどにも利用が広がっている。現在2018年の適用を目指して国際標準(IEC)規格の提案を行っている。
インターネット技術を利用した生産ラインと上位コンピュータの接続が一般化する中で、異なる機器・装置との接続を容易にするニーズが高まっている。
ORiNは異なるメーカーのFA機器を共通のソフトウェアで接続して動かす規格として、日本ロボット工業会が中心となって開発し、普及に取り組んでいる。ハードウェアに関する規定がないことから、機器・装置メーカーにとっても対応しやすいという特徴がある。いずれも日本から提案する規格として、普及に取り組んできた。
今回の連携で、FL-netのコントローラ内にある製造ラインのデータをORiN用PCが利用でき、またFL-netのネットワークを利用する製造ライン向けのソフトウェア開発工数を低減することができる。
産業用に使用されている通信ネットワークは、「オープン」といわれながらも実際は、それぞれのネットワーク間以外での接続には制約がある。
産業用オープンネットワークの各団体は相互接続を容易に実現できるプロトコルの開発を進めつつある。
今回、JEMAとJARAが相互接続で連携を強めることになったのも、こうした使いやすさを求めるユーザーの声に応えたもので、こうした動きはさらに加速するものと見られる。