ライフサイエンスの自動化を目指して設立されたロボティック・バイオロジー・インスティテュート(RBI、東京都江東区、高木英二代表取締役社長)が、バイオ産業用汎用ヒト型ロボット「まほろ」の実験スペース「ロボティック・バイオロジー・センター」(RBC)を開設した。
RBIは2015年の設立で、その後、産業総合研究所の技術移転ベンチャーの認定や、安川電機、科学技術振興機構からの出資を受けて、人間とロボット協働による、研究生産性の向上と研究の高度化を狙いに事業を進めている。
「ライフサイエンスは最も自動化が遅れている分野で、非常に複雑で煩雑な作業を繰り返しており、人材不足、バイオハザードなどを考えると、ロボットの活用が必要」(RBI夏目徹取締役CSO)。
しかし、従来型ロボットでは、導入コスト、オペレーションコスト、プロトコール変更コストなどの点から自動化ができないとして、RBIでは、バイオ産業用汎用ロボット「まほろ」を開発した。従来から使っているツール・機器・装置をそのまま使ったこのヒト型ロボットは、導入コストが低いことに加え、ロボットの安定性が高いためトラブルが少なく、しかも、周辺装置の変更だけでフレキシブルに作業を変更可能となっている。また、ロボットの知識がなくても作業ができる自然言語で、直感的に記述が可能なティーチングインターフェースの開発や、プロトコールエディタから自動的にロボットジョブを生成できるようにするなどRBI独自の技術を盛り込んでいる。
価格は1台1億円を切るレベルで考えており、初年度は10数台、3年後には40~50台の販売を計画している。さらに、今年から来年にかけて米国の展示会出展、18年~20年は米国・ボストン、英国・ケンブリッジ、米・西海岸にRBCの設置も計画している。