日立産機システムはEtherCATのパケットデータを格納・出力できる装置「ECDATACapture」を開発、2016年秋発売に向けてサンプル投入を開始した。工作機械の挙動監視や半導体製造装置でのプロセスデータ監視などでの活用が期待される。
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同製品はEtherCATに接続し、送信・受信を含め、流れる全てのパケットデータについて通信周期をもらさず監視できる。格納データは最大13万フレーム相当で、全周期分間引かずに取り込んでも6分間保持できるデータ量に相当する。
データ収集のトリガは、外部接点からのDIトリガ、本体操作による手動トリガ、マスタからの指令、TCP/IPでの指令など4タイプから選択でき、さらに保持するデータは「トリガ後」「トリガ前後(前後各50%)」「トリガ前」と3タイプから選択できる。データ収集間隔の設定や、受信データのみ保持するなどデータも間引きができ、条件によって残すデータのコントロールが可能になる。
出力データは、パケット取得・プロトコル解析ソフトとして普及するWIreshark拡張フォーマットに対応するため、解析も容易、1000Base-T対応ポートからの常時高速出力にも対応する。mIcroSDカードへ指定されたキャプチャデータを格納し、TCP/IPポートから格納されたデータにタイムスタンプを付加して出力もできる。
スレーブ機能も搭載しており、OFFしている場合は既存ネットワークの設定をそのまま使用できるため、解析が必要なときだけ接続してデータ収集することもできるほか、スレーブ機能をONした場合、DI4点、DO2点を使い、スイッチのON/OFF状態監視などにも対応する。
EtherCATの特長の一つでもある各スレーブデータの高い同期性を活用し、電流、電圧、ワークの位置などのデータを収集し、予兆診断、不具合解析、運転モニタなどでの活用が想定される。同社は7月27日(東京)、8月24日(名古屋)にて開催される「産業オープンネット展」、JSLテクノロジー社のブースにて同製品のデモ機を展示する予定