不二越は、第1軸上下構造を持つウイングスライサー型小型ロボット「EZシリーズ」の発売を開始した。EMSをはじめとした電機・電子業界向けに展開していく。
製造業では現在、世界的に軽工業分野での小型ロボット導入が盛んになっている。従来の自動車や産業機械だけでなく、電機・電子分野、化学や食品分野で積極的で、生産性向上・コスト削減・品質向上などを目的とした自動化のとり組みが本格化している。
また中国など新興国では人件費高騰や労働人口の減少によって人手から小型ロボットへの置き換え需要が急速に拡大している。同社はこうした背景のもと、EMSなど電機電子分野向けにウィングスライサー型小型ロボット「EZ03」を投入する。
同製品は、同社独自のウィングスライサー機構(第一軸上下構造)を採用した小型ロボット。天吊設置で、一般的なスカラロボットに比べて設備レイアウトの省スペース化が可能。先端に駆動部がないスリムなアームにより高速動作ができ、動けない領域(デッドゾーン)がないので動作範囲の中心を通過して動作距離を短くすることで、サイクルタイムを従来品比で30%削減できる。
また、手首先端に直径36ミリメートルの大中空穴を確保した手首の中空化により、ハンドなどへの配線・配管の引き回しが容易。また、全ての配線・配管を機体内に内蔵でき、周辺装置との干渉リスクを低減している。
さらに今夏には6軸モデルの水平多関節型の「EZ02」を追加する予定。立工程の中でも、斜めからの挿入、向きの変更、あるいは研磨や仕上げ工程といったより複雑な作業へ適用可能となっている。2017年に1000台の販売を目標とする。