ルネサスエレクトロニクスは産業用オープンネットワーク「EtherCAT」に特化した通信用LSI「EC-1」を開発、サンプル出荷を開始した。2017年5月に量産出荷を開始予定。
同製品は産業イーネット通信向けプラットフォームの「R-IN」をベースに開発。EtherCAT対応リモートI/Oや、通信モジュールに適している。リモードI/Oボード、ソフトウエア、ドキュメント、回路図で構成され、実際の産業機器を想定し、24Vで駆動、回路図を参考に開発者は製品化が可能になる。コンフォーマンステストツールで事前テストを実施したサンプルソフトも提供され、EtherCATのスレーブ機器開発時間を短縮するソリューションとして提供される。
また、既存の機器を簡単にEtherCAT通信に移行できるように、シリアルインターフェースを用意。例えば低速シリアル通信の機能を持つ製品のEtherCAT対応バージョンを開発する場合などに効果を発揮する。
約10社の大手マスタ機器との接続実績があり高い相互接続性を確保、ARM社FPU搭載のCortex-R4とEtherCATスレーブコントローラを内蔵。アナログデータの演算結果等をマスタ装置に送る最適な構成になっている。
トヨタ自動車などでもEtherCATが優先的に採用されるとの発表もあり、今後対応スレーブ機器に対するニーズは高まると予想され、同LSIを採用することにより、各スレーブメーカーの開発効率が高まることが期待される。