SAPジャパン(東京都千代田区、福田譲代表取締役社長)は、白山工業(東京都府中市、吉田稔代表取締役社長)と協力して、大地震の際の建物の揺れを把握・予測するシステム「my震度」の無償提供を開始する。
同システムは、「my震度アプリ」をインストールしたIPhoneなどの端末を建物の壁に固定し、スマホ震度計として活用する。軽微な地震が発生すると、その際の震度等のデータをネットワーク経由で「my震度サーバー」に収集・蓄積し、地図上にマッピングして一覧表示する。my震度サーバーは「SAPHANACloudPlatform」上に構築され、蓄積した震度ビッグデータは超高速インメモリー技術を利用して高速・リアルタイムに分析・処理できる。
同システムを使うと、スマホ地震計を設置した建物の住人(個人や管理組合)やオフィスビル・工場・店舗の所有者は、軽微な地震の際の揺れ方や、近隣の建物との揺れの違いを見ることができ、そこから大地震の際の揺れの予測や備えが可能となる。また地方自治体や消防・警察、研究機関・大学は、より粒度の細かい揺れのデータをもとに、より詳細な学術研究や防災計画・都市行政の立案に役立てることができる。
将来的には、より多くの建物から収集したビッグデータを分析することで、大地震の際の倒壊可能性の予測や全壊・半壊の判定支援などにも応用できる見込み。次フェーズでは、本システムの対象をアジアや世界の地震国にも広げ、より多くの住民に地震防災を提供するとともに、日本の耐震・防災技術のグローバル展開を支援する計画。
今年10月以降は一般消費者にも同システムを提供し、国内では3年間でスマホ震度計1万台のネットワーク構築を目指す。