【Q】マニプレータから排出された製品を、マニプレータの範囲外で作業員が加工する場合、この作業員には教育不要ということで良いか?
【A】労働安全衛生規則(以下「安衛則」という。)第36条の特別教育の対象業務は、産業用ロボットの教示等の作業と検査等の作業を行う者に対してです。本件の場合、「マニプレータの範囲外」、つまり産業用ロボットの可動範囲外での作業と思われますので、特別教育は必要ありません。
しかしながら、加工業務に何らかの技術や安全対策が必要なら、新規採用者なら雇い入れ時教育を(労働安全衛生法(以下「安衛法」といえう。)第59条第1項)、当該作業員にとって新規業務なら作業転換時教育(安衛法第59条第2項)が必要です。この場合、作業手順書によるOJT教育も必要かと思われます。
出典:「産業用ロボットQ&A100問」白﨑淳一郎著/労働新聞社刊(1,400円+税)
■白﨑淳一郎Junichirou Shirasaki
一般社団法人白﨑労務安全メンタル管理センター 代表理事
1947年北海道函館生まれ。1975年福島県で労働基準監督官として採用後、福島県相馬、東京八王子・上野・足立労働基準監督署長、東京産業保健推進センター副所長など務める。2007年より中央労働災害防止協会東京安全教育センターの講師としてRSTをはじめ、多くの講座で講師を担当。