大日本印刷(DNP)は、デジタルセキュリティ分野の世界的リーダーであるオランダのGemaltoN.V(ジェムアルト)と、IoTのセキュリティ分野で協業すると発表した。
DNPはICカードのソフトウエア開発や製造・発行および認証サービスなどを手がけ、国内のキャッシュカードやクレジットカード、携帯電話のSIMカードなどで高いシェアを持っている。ジェムアルトは、金融、政府系、モバイル、交通、M2Mなどの幅広い分野で、デジタルセキュリティソリューションを世界で展開している。両社はICカード技術をIoT向けに活用したセキュアなIoTプラットフォームを開発する。
同プラットフォームでは、IoT用のデバイスとサーバー間の通信にインターネットで標準的に利用されているプロトコルであるTLSを使用。相互認証に用いる暗号鍵やデジタル証明書を、耐タンパ性の高いSAMに格納して不正アクセスや改ざんを防止し、安全にデバイスとサーバー間の相互認証を行うことが可能になる。IoT用のデバイスと通信のセキュリティを向上させ、より安心・安全なエコシステムを実現できるとしている。
DNPは今回の協業を通じて、高いセキュリティが要求される金融、通信、重要インフラ、製造、医療などの分野を中心に、両社で開発した製品やサービスを提供し、2020年度に約35億円の売り上げを見込んでいる。