2020年のGDP600兆円実現のためには、製造業を含めた日本全体の生産性向上が欠かせない。2016年度第2次補正予算案において、各省庁は生産性向上のために多額の予算を計上。経済産業省、総務省、国土交通省、文部科学省といった主要各省庁の合計で1380億円以上を計上し、さまざまな取り組みを行っていく。
経済産業省は、平成28年度第2次補正予算案に対し5880億円を計上。このうち生産性向上に向けては267億円となった。
内訳は、人工知能に関する国内外の叡智を集めた産学官一帯の研究拠点の構築に195億円、宇宙産業の国際競争力強化のための地球観測衛星の開発・打ち上げに23億円、研究開発型ベンチャーのイノベーション創出支援に15億円、IoTの新ビジネス創出推進に9億円、2017年のドイツ情報通信見本市(CeBIT)のパートナー国としてのパビリオン設置やIoTビジネス支援に8億円、IoTを活用したエネルギーマネジメントやリサイクル、リコール対策、新サービスの創出などに3億円を計上。生産ラインの設計や道友を提案するSIの育成に対しては14億円の予算がついた。このほか、産業系サイバーセキュリティ推進センターの設置と人材育成に25億円などを計上している。
総務省は、生産性向上の加速に79.9億円を計上。IoTサービス創出支援に7億円、最先端AIデータテストベッドの整備に22億円、地上4K放送など放送の高度化に9億円、ICT人材育成に2億円、医療・健康データ利活用基盤の高度化に39.9億円となっている。
文部科学省は「生産性革命を支える科学技術イノベーションの推進」に対し764億円の予算を計上、ロケットや衛星など宇宙産業に280億円、人工知能や材料向けの先端技術の研究基盤強化に182億円、研究開発法人等での将来の成長が見込まれる研究基盤整備に100億円、産学官連携強化に向けた地域科学技術イノベーション環境の整備に185億円などを計画している。
国土交通省は、建設生産プロセスにおける3次元データの活用に対して6000万円、造船業の生産性向上のための自動溶接ロボット導入支援などに2億3200万円、トラック運送業における荷役作業の効率化機器導入に4億円、社会インフラロボット開発・導入支援に対して6800万円を予定している。