独・ジック社が今年創業70周年を迎えた。2015年12月期の売上高は前期比15.3%増の12億6760万ユーロ(約1450億円)、経常利益が同25.1%増の1億2910万ユーロ(約150億円)と、売り上げ、利益とも堅調な拡大となっている。
同社は、産業用センサの総合メーカーとして、自動認識センサ、セーフティセンサ、レーザーセンサなどの幅広い製品をラインアップし、FA分野、PA分野の製造業向けに加え、ロジスティックス分野などで実績を上げている。
1946年にエルヴィン・ジック氏が個人経営で創業してから今年で70周年を迎え、現在では産業センサの世界有数のメーカーとして評価されている。
特に北米とアジア太平洋地域における売り上げがいずれも約20%を超える伸びをみせている。
同社の強みは、R&D(研究開発)への積極的な投資で、15年は同11.0%増の1億2900万ユーロ(約150億円)と、売り上げ比10.2%(前年は10.6%)を占める。 開発投資も海外を強化している。
16年は、15年に比べると伸び率は下がっているものの売り上げ、および受注は前年より増加基調で推移しており、売り上げ拡大と利益増加の達成を慎重ながら確信をしている。
同社は14年に企業キャッチフレーズを「Sensor Intelligence」に変更し、製品、システム、サービスなどIndustry 4.0の流れに対応した取り組みを一層強めようとしている。
なお、1987年11月には日本法人としてジック(東京都中野区、松下実社長)を設立しており、来年30周年を迎える。日本での業績も好調で、毎年過去最高の売り上げを更新している。
今年春には社内に「ビジョン・ソリューション・センター」を開設した。ここでは、得意とする画像認識技術を使った検出・検査や監視などアプリケーションを実際に稼働させながら確かめられる。さらに、自動認識機器や安全対策機器などの製品デモも可能となっている。