パナソニックソリューションテクノロジーは在席・所在管理システム「Location Data Analyzer」を金属加工メーカの三松に納入したと発表した。同システムは、ビーコン(小型の発信機)の電波を利用して、ヒトやモノの位置情報を把握するIoTシステム。三松では280個のビーコンを台車に取り付け、工場内60カ所の受信機で検知・収集することで、車の所在、モノの流れを確認し、工程の見える化、生産性向上につなげるための取り組みを始めている。
三松は、金属加工を軸にした小ロット製造代行サービスを展開。「1個からでもお作りする」「品質にこだわる」「納期をきちんと守る」をモットーに、さまざまな業界で700社を超える顧客を開拓。その製造加工製品の種類は、月9000種にも及ぶ。多品種少量生産の現場で品質を維持し、納期順守を徹底するためには、切削・抜き・曲げ・溶接・塗装・組み立て・検査などの各工程にかかる時間を細かく把握する必要があった。
そこで同社は、台車の動きからそこに積載されたモノの流れを把握し、リアルタイムでの工程の見える化と、想定以上の時間がかかっているなど、ネックとなりがちな工程の特定につなげるために、同システムを台車管理の仕組みに採用した。ビーコンは5gの軽量、37㎜角のコンパクト設計のため、台車本体への影響はなく、現場の技術員がストレスや負担を感じることはない。現場になじむやり方で、生産工程・システムにIoT技術を活用し、生産性向上につなげている。