Q
ロボットのメンテナンスや修理に関して、ロボットメーカー以外(外注業者)の立場の者が必要とする資格は、一般の定義としてロボットインストラクターという資格で良いのか? 指針のようなものはあるのか?
A
インストラクターというのは、特別教育を行う講師に対する称号です。特別教育ではなく、上司あるいは同僚の立場でメンテナンスや修理に関していろいろ指図やアドバイスする人にまでインストラクターの資格の保持は求めていません。
もちろん、インストラクターの資格を持っている人がアドバイス等をするなら、それらのアドバイス等は権威のあるものになるので、持った方が良いとは思います。実際に、可動範囲内においてメンテナンスや修理を行うのであれば、それは「産業用ロボットの検査、修理若しくは調整(教示等に該当するものを除く)若しくはこれらの結果の確認」の業務となり、安衛則第36条第32号の特別教育の修了が必要となります。インストラクターの資格までは必要ありません。指針ではなく安衛法第59条第3項、安衛則第36条第32号です。
産業用ロボットの特別教育は、他の特別教育と一緒に記載されている「安全衛生特別教育規程」にカリキュラム等が記載されているのですが、この規程にはインストラクターのことについては記載がありません。
出典:「産業用ロボットQ&A100問」白﨑淳一郎著/労働新聞社刊(1,400円+税)
■白﨑淳一郎Junichirou Shirasaki
一般社団法人白﨑労務安全メンタル管理センター 代表理事
1947年北海道函館生まれ。1975年福島県で労働基準監督官として採用後、福島県相馬、東京八王子・上野・足立労働基準監督署長、東京産業保健推進センター副所長など務める。2007年より中央労働災害防止協会東京安全教育センターの講師としてRSTをはじめ、多くの講座で講師を担当。