安川電機は、世界トップクラスの船舶用エンジン機器メーカー、バルチラ社(フィンランド・ヘルシンキ市)グループのバルチラノルウェー社(ノルウェー・ボムロ市)の船舶用ドライブ部門を、フィンランドの同社子会社であるスイッチエンジニアリング社を通じて買収する。買収額は非公表。今年11月頃までに手続きを終え、社名を「スイッチマリンドライブノルウェー社」に変更する。
バルチラノルウェー社ドライブ部門は、メガワット規模の船舶用ドライブビジネスに特化し、フェリーやクルーズ船などに加え、オイル&ガス向けのオフショア支援船の電気推進用システムから石油プラットフォームの掘削用システムまで豊富な経験と実績を持ち、これまでに船舶用として数百隻に製品を納入(ドライブ製品としては1000台強)してきている。
今回の買収により、船舶向けにバルチラがシステムを提供する一方、バルチラノルウェーとスイッチエンジニアリングがドライブトレイン向けの電機品を提供するなどの製品を拡大させた連携が可能になり、船舶システム事業において市場のニーズに合った動力系製品(ドライブシステム、各種蓄電池など複数パワー源の組合せなど)の開発と提案力が強化される。
また、グローバルな営業、マーケティング、アフターサービスサポート網を提供することで、顧客の新規開拓効果も見込める。
安川電機は船舶向けに従来、U1000マトリクスコンバータやA1000インバータなどを販売しているが、今回の買収で、高容量領域の製品が強化され、船舶システム事業の拡大にもつながる。
なお、バルチラ社は2015年の売上高50.29億ユーロ、従業員数約1万9000人。