【実録 BOIインタビュー】~会話の内容は? ~
先週号に引き続き、タイ投資委員会(BOI)における「インタビュー」の内容を紹介します。
■商流の説明
顧客が申請したBOI案件は7条6項の国際トレードセンター(ITC)という商社認可です。昨年まで国際調達事務所(IPO)と呼ばれていたものです。そのため、オフィサーの質問は当然のことながら「商流を教えてください。どこから何を購入し、どこへどのように販売するのですか?」となり、これに対して申請者は、「日本の親会社からXYZという部品を仕入れ、タイ国内の顧客である工場に卸します」と答えます。
ここで重要なのは「卸し業」を行うことを明確にすることです。もしここで、「小売り」と判断される販売方法を説明した場合、ITC認可は下りないと考えてください。
■「投資額」の確認
BOI認可条件の一つに「投資額が100万バーツ以上」というものがあります。申請書に書かれた事業計画書の数字と、BOIのいう投資額との間には整合性が求められますので、オフィサーは、「機械代はいくらですか。中古ですか、新品ですか。どこで買いましたか(輸入かタイ国内調達か)」「建設費の詳細を具体的に教えてください(改装費、クレーン据え付け代、床補強工事費、防音・防振工事費など)。「操業前費用には具体的に何が入りますか。運転資金はどうなっていますか」などの細かい確認に入ります。
ここでオフィサーは、申請書に書かれている数字から、BOI定義の投資額を計算し、100万バーツ以上か否かの確認作業をすることになります。
■最後に「再確認&質問」
インタビューは申請書をもとに行われますが、かなり高い確率で申請書内の数字に不一致があったり、提出すべき資料に不足があったりするため、追加資料の提示を求められることになります。
そのためインタビューが終了すると、オフィサーは所定の用紙に、インタビュー内容の再確認、訂正箇所の再確認、再提出する追加資料リストを明記し、申請者の署名を求めます。その書式には、書類の再提出期限が明記されており、それを過ぎても再提出されない場合は、この申請そのものがキャンセルされることになります。
最後に、「何か質問は?」と聞かれますので、ぜひ、「認可はいつ頃されますか?」と聞いてみることをお勧めします。その理由は、申請事業のBOI認可に問題があるか否かが、ここでのオフィサーの答えで推察できるからです。
BOIアフターサービス社
【業務内容】BOI申請、BOI認可後の各種手続きの代行サービス、BOI認可後の運営に関する質疑応答サービス、法人登記、労働許可証申請、記帳代行、税務申告、その他。