Qマシニングセンタ(工作機)は、なぜ産業用ロボットではないのか?
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マシニングセンタとは水平主軸をもち、自動工具交換装置、工具マガジン、パレット割出装置、パレットチェンジャーを備えたNCフライス盤のことで、直交するX軸、Y軸、Z軸の他に、工作物を載せるパレットを割り出すB軸をもっています。工具の自動交換ができ、フライス加工を主とするものをマシニングセンタと呼び、主軸が水平になっているものを横形マシニングセンタ、主軸が垂直になっているものを立形マシニングセンタと呼んで区別しています。最近では、直交するX軸、Y軸、Z軸の他に、回転する軸、例えば、A軸とC軸とをもつ5軸制御マシニングセンタが登場し、さらには、工作テーブルを高速で回転させ、主軸にバイトを取り付けて旋削ができるものや、フライス工具の代わりに研削砥石を使えたり、寸法計測用のプローブ(probe:探針)を搭載した機種も登場してきています。それだけでなく、フライス加工、旋削加工、研削加工だけでなく、レーザー加工のできる機種も誕生しています。このように、記憶装置の情報に基づき3次元の複雑な動きをするのですが、残念ながらマニプレータがないため、マシニングセンタは産業用ロボットに該当しないとされています。
出典:「産業用ロボットQ&A100問」白﨑淳一郎著/労働新聞社刊(1,400円+税)
■白﨑 淳一郎 Junichirou Shirasaki
一般社団法人 白﨑労務安全メンタル管理センター 代表理事