日本スペリア社は、SiC素子など、高温動作のため既存のはんだが使えない次世代パワー半導体にも使用できる新素材「アルコナノ銀ペースト」を一貫生産できるラインを同社津山工場に導入した。月間500キロの製造を目指す。
同製品は同社子会社の「応用ナノ粒子研究所」が開発。他の同種の製品と異なり、ナノサイズの銀粒子の被覆膜にアルコール由来のものを使用。
そのため、無垢の銅基材にも直接接合が可能で、工程数が省けて低コスト、しかも環境に優しく使い勝手がいいという高い評価を受けており、ハイパワーLED、パワーモジュール用途への引き合いが増え、2016年3月期の売り上げは昨年比数量ベースで約3倍となっている。
量産に向け、製造装置として、反応装置、濃縮装置、置換装置、混練装置などを導入、原材料の配合からペーストの混練まで、品質ISOの認証を受けた津山工場で一貫した製造を行う。
同社では今後予想される需要の多様化にも対応すべく、新タイプのナノ銀製品も開発。コストダウンニーズをターゲットにした銅を添加した製品も市場に投入しており、このタイプもさらに充実化を図る。