横河ソリューションサービス(東京都武蔵野市、奈良寿代表取締役社長)は、エッジコンピューティングによる「設備異常予兆監視ソリューション」の提供を、19日から国内で開始した。ユーザーの設備の安定稼働と保全コストの削減に貢献する。価格は200万円からで、2016年度10システム、17年度100システムの販売を計画。
このソリューションは、同社のLinux対応の高速CPUを備えたリアルタイムOSコントローラ「e-RT3plus」を、エッジコンピュータとして使用し、AI(人工知能)に用いられる技術の一つである機械学習の機能を持たせている。一定期間に収集したデータを自動的に解析し、通常と異なる状態になったことを検知できるため、人手での作業が大幅に軽減できる。また、現場で蓄積してきたノウハウを活用したい場合には、正常/異常を判定するパターン認識手法として、広く活用されているMT(マハラノビス・タグチ)法による異常検知を選択することも可能。
e-RT3plusを、自律的に動作するエッジコンピュータとして設備に組み込み、データ収集から、解析、異常検知までを現場でリアルタイムに行え、設備ごとに適したロジックで、データ解析、異常検知を行うことが可能。さらに、必要に応じて、アラーム、平均値、定期的な測定値などのデータを汎用のEthernet通信で上位システムへ送信することもできる。
しかも、e-RT3plusはデジタル信号、アナログ信号の双方の入力に対応しているため、多種の製造現場のセンサからデータを収集し、さまざまな設備に組み込み、早期に運用を開始することが可能になる。
製造設備の異常や予兆を見つけるには、設備の振動、温度、電流などのデータを収集し解析する必要があるが、設備がネットワーク機能を有していない、センサからの大量のデータを収集するための新たな通信インフラが必要となるなどの理由でデータ収集システムの構築が難しい場合が多い。
同社では、IIoTのソリューションへの取り組みとして、設備のすぐ近くで必要な処理を行うエッジコンピューティングによる設備異常予兆監視ソリューションで、こうしたニーズに対応したもの。
主な用途は、電気・電子、半導体、自動車などの工場や、プラントのユーティリティ設備における、ポンプ、コンプレッサー、ロボット、変圧器、成形機などの設備の異常検知など。