第3回 IoTビジネスカンファレンス 11月8日(火) ベルサール神田 デジタル革新で商機加速

IoTは多層構造 広範にわたるシステム “多角的な協創”不可欠

今年で第3回を数える「IoTビジネスカンファレンス」(主催=リックテレコム、特別協力=オートメーション新聞、月刊ロジスティクスビジネス)が、11月8日(火)ベルサール神田(東京都千代田区)にて開催される。テーマは「業界×IoTの協創でビジネスを加速させる」。イベントでは製造、物流、小売りなど各業界でIoTビジネスををけん引する第一人者が実例を交えて講演や展示を行う。事前登録制(無料)で、各講演あわせて2000人以上の来場を見込んでいる。特に製造業においてはIoTを活用した成功事例が多数紹介されるとあり、工場管理に携わる経営層の方、装置・設備製造業でIoTビジネスを模索している方などからの注目を集めている。

IoT(Internet of things) が産業と社会に大きなイノベーションをもたらすと期待され、その実現に向けて、国を挙げた取り組みが始まった。
政府は成長戦略の筆頭テーマとして第4次産業革命(インダストリー4.0)の推進を掲げ、さらに国際競争の観点からもIoT、AI、ロボットによる生産性向上、産業革新、新市場創造に向けてスタートを切っている。さらに産業界も多くの企業がIoTとAIを戦略課題に掲げ、事業の革新と次の成長に向けて動き始めている。2016年は官民挙げたIoT推進のエポックの年になろうとしている。
まさにIoTは、さまざまな分野において、数多くの情報を計測しそのデータを集め分析して機械を制御したり、あるいはモノと人の膨大なデータを集めAIなどで分析し価値のある情報を生み出し、それを既存システムと連携してマーケティングに生かしたりすることで、ビジネスやサービスに新たな価値を創造し、産業と社会に革新をもたらすものとして期待されている。
IoTシステムは、①リアルタイムに状況をとらえるセンサー/IoTデバイス②デバイスからのデータを収集する近距離無線ネットワーク③データを集約するゲートウエイ④サーバー・クラウドにデータを送り出す広域ネットワーク⑤データを蓄積・分析するプラットフォーム⑥データ分析によって価値ある情報を生み出すアプリケーションによって構成される。また、工場などでは⑦集められたデータにより機械を制御するアクチュエータなどの役割も大きく、他方⑧スマートフォンなどで集められたデータをビッグデータとして解析・活用するシステムも大きな可能性が注目されている。
この多層にわたるレイヤー構造のため、IoTの導入・活用には、多くのパートナーとの協力が必要となり、インテグレーションの比重も大きいものがある。また、各産業分野、各社会的シーンにおいて、IoTの位置づけ、役割もそれぞれに特徴を持つことから、ビジネス推進は多角的な協力が必要となる。

製造・物流・小売り・医療など 第一人者が実例紹介

第3回を迎える「IoTビジネスカンファレンス」では、こうした新たな取り組みを受け、各産業分野・社会的シーンで、どうIoTを活用していくのか、どうビジネスモデルを確立していくのか、より多面的に、しかし実践的に、IoTビジネスの推進を追求する。
本イベントでは①製造、物流、小売り、医療などの主要分野にフォーカスして、企業ユーザーとともにIoTのビジネス活用を展望する②ユーザー企業のIoT導入に大きな役割を果たす業界ベンダー、特機ベンダーと、IT系ベンダー、ネットワーク系ベンダー、SIとの、IoT普及に向けた協創の場を作る③IoTシステムのレイヤーごとのメーカー・ベンダー、プラットフォーマー、ネットワークキャリア、そしてAI、データサイエティストなどが一堂に会しビジネス交流を実現するなどを特徴として開催される。主要プレイヤーの「協創の場」として、IoTビジネス推進の方向性と事例、産業別ガイダンス、レイヤーごとのIoTシステムの具体像、インテグレーション&マネジメントとビジネスモデル化について、一望のもとに見通せるイベントとなる。

■基調講演

▽2020年のIoTと通信産業
株式会社野村総合研究所 桑津 浩太郎 氏

IoTが世界的な注目を集める一方、通信産業は短期的な収益性の低さと長期的な成長機会、事業領域の確立に向けての苦闘が続いている。米国のベンチャーアプローチ、欧州の社会インフラアプローチ、日本市場の特異性、強みなどを把握し、明らかになってきたIoTの特性、産業への影響と通信産業の立ち位置を鳥瞰(ちょうかん)する。その上で、5Gや新たな社会インフラへの貢献を視野に入れた通信産業の方向性を整理する。

■特別講演
▽日本版IoTの正しい導入方法。その究極の目的は自動化ではない!
株式会社ニューカルチャーラボ (前参議院議員)山田 太郎 氏
世界に比べて出遅れた日本、IoTでモノづくりの「情報産業化」を急ぐ必要があるIoTの真の目的はロボット化やさらなる自動化ではない。時代の変化に対応してスペック、スループット、アセットのマネジメントに注目する必要がある。

▽製造現場に既にある情報をシンプルに活かすIoT導入事例 〜今を視る・過去を診る・末来を変えるシグナルタワー!〜
株式会社パトライト 近藤 敦 氏
製造現場において新しいビジネスや現場の効率を追求する手段としてIoTやM2Mの注目度は年々上昇している。一方、IoTを導入したいけど何から始めてよいか分からない…、膨大なコストがかかり投資効果を考えるとなかなか導入に踏み切れない…といった現場の声が大きく存在していることも事実。本セッションでは製造現場に既にある設備を活用し、低コストでスモールスタート可能なパトライトのIoTソリューションの事例をもとに紹介する。
■セミナー
▼Watson IoTでの新たなビジネス価値の創出−計画的な冒険
日本アイ・ビー・エム株式会社 鈴木 徹 氏
IoTはバスワードから普及期に入っており、先進企業ではイノベーションの武器として活用が始まっている。
従来のM2Mの発想を超え、低価格の外付けセンサやモバイル、ウェアラブルとの連携などを通し、現場の「モノにしゃべらせる」ことで新たな価値を創出する。
当セッションではIoTで新たなビジネス価値を生むためのfail-fastの取り組み方やビジネスリーダーの役割、具体的な手法などをデモを交えて紹介する。
▼IoTのラスト・ワン・マイル
リニアテクノロジー株式会社 小林 純一 氏
モノが発生するデータをケーブル敷設なしでインターネットに送り続ける無線ネットワークには幾つもの選択肢が存在する。その中で、接続信頼性と電池寿命の両方を設計時に保証する方法として、Dust Networksが提供するユニークかつ堅牢な技術を他の方法との比較と共に紹介する。
▼IoT×物流… その先へ。取組事例から見るITソリューション最前線(仮)
株式会社NTTPCコミュニケーションズ 小原 英治 氏
「IoT」という言葉が生まれる前から、NTTPCコミュニケーションズ(NTTPC)では、M2MネットワークやM2Mクラウドを通し、多くの顧客の課題やニーズを把握し解決に導いてきた。本セミナーでは、10年にわたる過去実績より多数事例を交えながらIoT案件ならではのビジネスとしてのおもしろさや、今だから言える想定外のエピソードを紹介。物流や製造業向けに「ゲンバ改善」「ゲンバ改革」に役立つIoT利用のヒントを届ける。
▼IoTデータ活用のフィードバックループ 〜IoTデザインセンター、100件のご相談事例を元に〜
ニフティ株式会社 佐々木 浩一 氏
2015年7月「ニフティ IoT デザインセンター」というサービスを開始。
デバイスのIoT化を目指す企業を、IoT専属チームがネット側の知見・アセットを活用して、支援するサービス。サービス開始後「デザインセンター」で100件を超える、さまざまなご相談を受けた。各企業のIoTへの取り組みの状況・相談事例を通じて見えてきた、IoTでのデータ活用のポイントについて、紹介する。
▼機械学習×IoTが生み出す新たな価値
SAS Institute Japan株式会社 辻 仁史 氏
IoTが私たちの生活やビジネスに大きな変革をもたらそうとしている今日、発生しつづけるデータを高度に分析・活用し、新しい価値創造の取り組みに着手する企業が増えている。 こうした中、IoTデータ分析への機械学習技術の活用が検討され、昨今、SASにも多くのご相談がある。本セッションではなぜ、今、機械学習が注目されているのかを解説するとともにIoTデータから価値を生み出すために必要不可欠なIoTアナリティクス・ライフサイクルの実践アプローチについて、製造業やエネルギー業、小売業などにおける活用ケースを交えながら説明する。
▼インフォメーション・エコシステムを支える HPE Universal IoT Platform
日本ヒューレット・パッカード株式会社 福本 靖 氏
さまざまなデバイスがつながり、アプリケーションが立ち上がり始めているが、多くは限定的な用途ではないか?かたや LPWA に関わる報道発表も散見され、より専門化したネットワークによる高度な接続要求に対応しデータを収集・活用する、IoT本格化時代がいよいよ到来する。異種混在したデバイスとの接続やアプリケーション間でのデータの流通を可能とする「次世代型IoTプラットフォーム」を活用し、新たなビジネスチャンスをつかみたい方必聴。
▼フォグコンピューティングによる新しいIoT時代の幕開け
インテル株式会社 下堀 昌広 氏
大量のモノをクラウドにつなげ、データ活用によるコスト削減、オペレーション改善、ビジネスの最適化などを実現するIoT事例が広がる中、IoT普及における新たな課題が見えてきている。この新たな課題とは、デバイスとクラウド間の通信における遅延の問題、ネットワーク帯域の制約、多様なデバイスやそのデータ処理への対応などが含まれる。これらの課題を解決する取り組みとしてのフォグコンピューティングとOpenFogコンソーシアムについて解説する。
▼IoTで実現するカスタマーコネクティビティ(仮)
ソフトバンク株式会社 鴻池 大介 氏
すべてのものがつながるIoT時代。企業にとっては、自社の製品・サービスとお客さまが直接つながることを意味し、業種業態を超えた新たなサービスが生まれている。時代の要請を企業がどのように受け入れ、対応していくべきなのか、直面している構造的課題を踏まえ、通信キャリアであるソフトバンクの目線で語る。
▼製造業向けインダストリアルセキュア IoT ソリューション
東京エレクトロン デバイス株式会社 西脇 章彦 氏
株式会社Empress Software Japan デイビッド チャン 氏
製造業では、IT技術の急速な進化によって機器同士が「つながる(=IoT)」をキーワードに、その活用によって付加価値を見いだす動きが加速している。もう一度製造現場からの視点に立ち戻り、産業機器とクラウドを連携させる際に最も注意すべき『データの双方向接続・トレサビリティ・セキュリティ』および『デバイスの管理』など要素技術をもとに、最先端の導入事例とともにインダストリアルセキュアIoTソリューション紹介する。
▼工場見える化の課題と、“FactoryTalk VantagePoint”を使った導入事例
ロックウェル オートメーション ジャパン株式会社 畝 忠孝 氏
工場見える化は、多くの企業で実践されている事案であり、いまだ課題を抱えているものでもある。工場現場、IT部門、管理部門が抱える課題を解決するポイントとして、(1)既存資産の活用、(2)新しい技術の導入、(3)容易な運用とフレキシブル性、等が掲げられます。そのような一般的な課題を紹介するとともに、ひとつの解決策として、レポートツール“FactoryTalk VantagePoint”の特徴と見える化導入事例を紹介する。
▼日立におけるIoTを活用した社会イノベーション事業
株式会社日立製作所 木下 泰三 氏
インダストリー4.0による製造業革命、ロボットやドローン、自動運転などのモビリティ革命、ビッグデータ、AI、アナリティクス、などのデータ革命による新市場が期待されている。本講演では、IoT/M2M分野の市場動向、世界の標準化・コンソーシアム動向をふかんすると共に、将来有望なIoT技術について概説する。また日立におけるIoTを活用した戦略的な社会イノベーション事業について述べると共に、その実用事例に言及する。
▼Smart Factoryプロジェクトの実態と課題/導入事例紹介
株式会社FAプロダクツ 貴田 義和 氏
製造工場の現場がリアルに取り組んでいるSmartFa
ctoryプロジェクトについて、その取り組み内容や実態・ステップ・課題などを体系的に紹介。「稼働」「品質」「在庫」「保全」「エネルギー」をキーワードにしたそれぞれの初期導入・展開事例や、「AI」「ファジー」といった人間の感覚に近い一歩進んだ自律化事例をより詳細に紹介。

聴講はHPからの事前登録制(無料) http://www.ric.co.jp/expo/iotb2016/index.html

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