ダッソー・システムズは3、4日、中国・上海で製造業向けイベント「MANUFACTURING IN THE AGE OF EXPERIENCE」を開催した。中国版第4次産業革命とも言われる「中国製造2025」の関心が高く、多くの経営者や技術者が来場した。
日本、ドイツ、アメリカでインダストリー4.0や第4次産業革命といった製造業のデジタル化が進むなか、中国でも製造強国を目指す「中国製造2025」が国策として進められ、デジタル化熱が急速に高まっている。特にそれを実現するために必要なインフラであるソフトウエア、プラットフォームに注目が集まっており、同社は今回「3D EXPERIENCEプラットフォーム」を軸としたデジタル化提案を行った。
3日のプレナリーセッションでは「製造業の未来」をテーマに、中国工業情報化部のXie Shaofeng長官が中国製造2025の概要と生産の自動化の必要性について話し、フランスでIoTを推進する「Industry of the Future」のBenjamin Gallezot氏は、世界的に起きている工業革命のなか、フランスと中国をはじめ国際的に協力し、このプロジェクトを世界的に広めたいと話した。
次いで3D EXPERIENCEプラットフォームを使って製造業がどう変わっていくのかをプレゼンテーションした後、3社の成功事例が紹介された。韓国の機械メーカーのDOOSAN INFRACORE(斗山)は、同プラットフォームを使い工場のCPSには設計におけるCPSと、実際に稼働して製品を製造した後のCPPSの2つを構築し、それらを連携させて利用し革新的なプロセスを実現している。フランスのエアバスヘリコプターは、現場管理のシステムを同プラットフォームにしてプロセスを標準化。紙やEXCELで管理していた作業指示等のデジタル化や生産時間の短縮、不良減少などにつなげている。
日本からは本田技術研究所の杢中直樹氏が同社の取り組みを紹介。これまで同社は日本の車種や製造手法を海外に展開してきたが、今後はローカル主体のものづくりへ進化する方向性を示し、DELMIA V6の導入効果を説明した。世界各地の工場が自ら検証し、地域分散型の検証となることで、セールス、エンジニアリング、R&Dの効果が上がったと話した。
2日目は基調講演とワークショップで構成。基調講演では中国製造2025をテーマに中国ローカルメーカー各社のトップが意見を交わし、ワークショップは36のセッションが行われた。また会場では製品やサービス展示も行われた。オペレーション、エンジニアリング、プランニングの3つのゾーンに分かれ、VRを使った組み立てトレーニングや、プロセス設計やオペレーション効率化などの最新ソリューションが展示された。