JIMTOF2016 第28回日本国際工作機械見本市 11月17日(木)〜22日(火) 東京ビッグサイトで開催

ここから未来が動き出す 最新の工作機械が集結

過去最大規模での開催

アジア最大級の工作機械の展示会「JIMTOF2016(第28回日本国際工作機械見本市)」が、17日(木)から22日(火)までの6日間、東京ビッグサイト全ホールを使って開催される。開場時間は午前9時〜午後5時。入場料は前売り1000円、当日3000円。学生無料。

JIMTOFは、1962年から2年に1度開催され、50年以上の歴史を有する。2014年の総来場者数は13.6万人で、開催地を東京に一本化した00年以降、2番目の高水準であった。
工作機械、鍛圧機械、工作機器、特殊鋼工具、超硬工具、ダイヤモンド・CBN工具、研削砥石、精密測定機器、光学測定機器、試験機器、CAD/CAMなど、広範囲の製品分野で、様々な最新の製品、技術が披露される。製造業で活用される各種製品分野の最新情報を入手できる展示会として定着している。
今回の開催テーマは「ここから未来が動き出す」。
出展数は969社・5518小間で、前回14年に比べ127社、435小間増えており、出展数、小間数とも前回を大幅に上回る。このため、今年10月に竣工した東新展示棟(東7、8ホール)を初めて使用し、過去最大規模での開催となる。
海外からは、21カ国から143社、483小間とほぼ前回並みの出展となっている。
JIMTOF2016のメインターゲットとなる国内市場は、老朽化設備の更新需要や、ものづくり補助金を始めとする各種政府支援策の後押しによって、設備投資への動きが顕在化しつつある。今回のJIMTOF2016は、潜在する国内の設備投資を具現化する、千載一遇の好機として大きな期待が寄せられている。このビジネスチャンスを掴むべく、今回掲げられた「ここから未来が動き出す」のテーマに則った製造業の未来を切り拓く技術と製品を提案し、新たな産業革命を起こそうとしている。

会場には、生産性を高度に高める機械・機器、すなわちスマートマシンとIoTとを融合させた様々なソリューションが出展され、これらの展示を通じて、製造業の新たな潮流を起こそうとしている。
工作機械の最近の技術動向と今回の出展動向を日本工作機械工業会の資料から引用する。

①IoT時代のものづくり
あらゆるものがインタ-ネットとつながるIoT(Internet of Things)や人工知能(AI)の発展等により製造業は大きな変革を迎えている。この変革のキーワードとして「つながる工場」がある。
工場の生産ラインに設置されている工作機械やロボットがインターネットで接続され、稼働状況や加工プロセスを機械同士が通信し、製造工程を最適化する。
また、つながった設備からのデータを収集・分析し、最終的にはマスカスタマイゼーション(大量生産と同じ低コストによる、個々の顧客ニーズに合わせた多品種多量生産)に結びつけていく。
IoTの本格的な実現には、まだ時間を要すると見られるが、実現に向けた技術開発は着実に進んでおり、昨年開催されたEMOミラノ、今年9月に開催されたIMTSでも、IoTに関する出展が目を引いた。JIMTOF2016でも同様の傾向を示すと思われる。

②付加加工との融合
生産プロセスに変革をもたらす新技術として3Dプリンタに代表される付加加工(Additive Manufacturing)技術が注目されている。
付加加工には、①工作機械のような除去加工では不可能な形状を成形できる②粉末状の金属をレーザー照射して溶かしながら積層していくので、原材料のロスが少ない、等の優位性がある。半面、加工精度は切削加工に及ばない、という問題点もある。
以前は、切削加工のような除去加工と積層造形加工の付加加工は、相反するものだと言われてきたが、最近ではこの2つを融合した新たな形態の工作機械が開発されている。
切削加工と積層造形加工との複合化は、あらゆる形状を高精度に加工できる新技術として注目されており、前回のJIMTOF2014においてもこのハイブリッド工作機械が出展されて話題となった。
今回のJIMTOF2016でも更に進化した製品が見られることと期待される。

③自動化技術の発展
生産コストの低減、品質の安定化や機械稼働率の向上等のための有効な手段として自動化技術がある。自動化技術は、これまで、高度なセンサーやロボットを駆使して大きく発展してきたが、特に最近では、ロボットを用いた自動化技術が注目されている。
自動車業界を中心とした完全自動生産化の流れを受けて、生産工程にロボットを利用して各種作業を自動化する流れは、今後も広がっていくことが予想され、そのためにロボットを組み込むことを前提とした工作機械や人と協働するロボット等が注目されている。
JIMTOF2016でも、新たな自動化技術が多数見られることが予想される。

④5軸マシニングセンタ、ターニングセンタの進化
工作機械は、機械部品を早く、正確に作ることを目的としており、これを追求した機械が5軸マシニングセンタやターニングセンタである。
5軸マシニングセンタは、直線3軸(X・Y・Z)に回転2軸(A・B・C軸の内の2軸)を追加して、旋回加工や自由曲面など多くの種類の加工を1台の機械で行うことができる。
ターニングセンタは、旋削加工の他に、刃物台に回転工具を装備してエンドミルやドリル加工等をワンチャックで行える複合加工NC旋盤。工程集約を行い、リードタイム短縮を図ることができ、航空機、自動車、金型などの分野で多く使用されている。これらの工作機械へ歯車加工機能等を複合化した、更に進化した5軸マシニングセンタやターニングセンタの出展が期待される。

⑤最新工作機械技術の発信 国内外の研究者・技術者が講演
JIMTOF2016では「第17回国際工作機械技術者会議(IMEC)」が併催される。工作機械は、ものづくりの中核となる機械であり、工作機械技術の高度化が世界の製造業の発展に影響を及ぼす。このように重要な役割を担う工作機械の技術向上を目的として、世界中から工作機械関連の研究者、技術者が集い、IMECが開かれる。
20日(日)・21日(月)には、「ものづくり革新の萌芽技術を探る」を総合テーマに、国内外の研究者・技術者から15の興味深いテーマについて講演が行われる。
また、JIMTOF2016会期中、新しくできた東8展示ホールで開催されるポスターセッションには、国内外の研究機関から67にのぼる最先端の工作機械関連研究成果が発表され、19日(土)・20日(日)の2日間は各研究機関による研究内容プレゼンテーションも予定されている。
JIMTOF2016の企画展示で注目されるのが、東7ホールでの次世代に伝えたい「へら絞り」の日本の匠の技と、福井県の世界最高レベルの技術力を発揮した「めがね」の紹介である。
「へら絞り」は、大正時代に日本に伝えられた金属の伸びる性質を利用した塑性加工のひとつ。金属を円盤状に加工したものを、横向きに回転する絞旋盤と呼ばれる機械の回転軸に固定し、ヘラと呼ばれる専用工具で絞って成形していく。
北嶋絞製作所の協力により、「へら絞り」の職人による実演をはじめ、一般来場者による体験を予定。また、職人へのインタビューやトークショー、技術の伝承取材映像も放映する。
福井県眼鏡協会の協力による、めがね産地「福井・鯖江」の世界最高の技術力と品質力を有するめがねの作業工程の披露、インタビューやトークショーを実施する。
福井市や鯖江市を中心に日本製めがね枠生産の95%以上を占める福井県のめがねは、チタンフレームなどの新素材開発や、優秀な加工技術などが世界的にも高く評価されている。100年余の時間をかけ世界ブランドまで育て上げた職人の技術と良いめがねを作るために不可欠な工作機械との関わりを軸に紹介する。
さらに、特別展示として、「勝利を掴む!日本の技術〜世界で戦うアスリートを支えるモノづくり〜」として、ウエートリフティング・パワーリフティング用バーベル、及び車イスを使用するアスリート用の競技用車イスを披露する。同時にこれらを使用するアスリートのトークセッションを20日に行う。
そのほか、基調講演、特別講演、特別セミナー、学生向けセミナー、出展者ワークショップ、海外代理店/バイヤー商談会などが予定されている。

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