スマートファクトリー構築支援を手掛けるFAプロダクツ(東京都港区、貴田義和代表取締役社長)は8日、IoTビジネスカンファレンス(主催=リックテレコム)で「Smart Factryプロジェクトの実態・課題と導入事例」と題し講演を行った。
同社はスマートファクトリー実現に向けたシステムコンサルティング、機器販売、ロボットエンジニアリングを主軸に事業展開を行っている。生産現場の末端にあるセンサの選定から、PLC・産業用PCへのデータ集積、MES・ERP・PLMなどとのシステム連携まで一気通貫で提案できる数少ない企業でもある。
講演では、スマートファクトリー化のステップとして、「見える化」「活用」「分析・解析」「手動コントロール」そして最終型としての「自動コンントロール」があることを解説。しかし、実態としては最初のステップである「見える化」から先がなかなか進まないことが発表された。
阻害原因として「現場遅延とITの知見を兼ね備えたスペシャリストの不在」「機器メーカー・ソフトウェアメーカー主導によるプロダクトアウトの提案が多い」「データの規格統一」「現場のアレルギー反応」などが、貴田氏の経験をもとに解説され、それぞれのステップでのデータ活用事例が紹介された。最新事例として、AIの活用やファジー推論による作業者の感覚作業のシステム化事例も紹介された。
最後に貴田氏は「熟練工・機械・在庫・計画・購買・営業・開発がリアルでつながり、全体最適を実現するべくデジタルビックデータを活用した新しい仕組みの導入が勝負を分ける、もっと“Smart”な製造業の実現へ日本の製造業が一体となって盛り上げていきたい」と述べ講演を締めくくった。