従来型人材育成の限界
〜継続的なフォローこそ根幹 技術者特化のシステム浸透〜
「一般的な人材育成」と聞いた時、皆様はどのようなイメージがわきますでしょうか。人材育成会社の人を呼んで、1、2日の研修を行うことでしょうか?
一般的には、短期間での研修が人材育成のイメージとして定着しているようです。技術者育成研究所は、継続的なフォローこそ、人材育成の根幹であると考えます。
その理由を説明します。例えば、研修であるべき人材の姿を学んだとします。
研修直後は、その重要性を理解し、それを実践しようと考えます。しかし、すぐにそれらの考えはどこかへ葬り去られてしまいます。理由は単純です。実業務に対して、学んだことをどのように活用すればいいのか、本人がわからないからです。
特に技術者は専門的な仕事が多いため、その専門性に重点が置かれ、基本となっている業務フローに対する認識は非常に希薄です。そのため、学んだことを実際どのように生かすのか、についてはその実務に取り入れられるよう、研修で学んだこととの仕事の間に存在するギャップを埋めるというフォローアップが必要となります。
一般的な人材育成会社では、一般職に対する人材育成についてはプロですが、技術の仕事の実務内容について感覚的にでもわかる講師は皆無です。しかしながら、技術者に特化した技術者人材育成プログラムでは、専門が違えど、技術者固有の思考回路、仕事の特殊さを理解した元技術者、研究者が人材育成にあたるため、学んだ人材育成の理論をどのようにして技術的な実業務に落とし込むのか、というフォローアップが可能となります。
技術者育成研究所の提供する若手技術者育成コンサルティングやアフターフォローサービスでは、現場の技術者の声をお聞かせいただきながら、実業務での理論実践を目指します。面談を通じて技術者のベーススキル(専門性を除く)、業務負荷状況、人間的性格などの概要を把握させていただいたうえで、一度その結果をまとめ、今後の進め方についてご提案をさせていただきます。
もし、企業にとってこちらからの提案が違和感ないものであれば、実際の現場の一部に入らせていただき、実業務を見させていただきながら、若手技術者育成プログラムで学んだことを実際どのように実業務として行うかという事について、社員の方に助言をします。
さらに、技術者育成システムを正常に機能させるため、仕事を与える指導者と育成される若手技術者の両者とそれぞれ面談し、双方の状況のヒアリングを進めます。このヒアリングに基づき、指導者側から育成される側へ任せられる仕事と指導者がフォローすべき内容について助言を行うことで、指導者が若手技術者に仕事を任せながらもフォローするという業務環境を構築することを目指していきます。
この様なアフターフォローに重点をおいた技術者育成プログラムだからこそ、技術者育成システムを社内に浸透させることが可能となります。
吉田 州一郎(よしだ しゅういちろう)FRPコンサルタント。大手機械メーカーの航空機エンジン部門にて、10年以上にわたりFRPに関連する業務に従事。社内試作から始まったCFRP航空機エンジン部品の設計、認定開発、海外量産工場立ち上げを完了。本部品は先進性が高いという評価を得て、世界的FRP展示会JECにてInnovation award受賞。新規FRP材料研究においては、特許や海外科学誌への論文投稿掲載を推進し、Polymer Journal、Polymer Compositesをはじめとした科学誌に掲載。
− Professional member of Society of Plastics Engineers(SPE;米国プラスチック技術者協会)
− 高分子学会 正会員
− 先端材料技術協会 正会員
− 繊維学会 正会員
− 特定非営利法人インディペンデント・コントラクター協会(IC協会)正会員
− 福井大学非常勤講師