富士経済「2016年注目メカトロニクスパーツ市場実態調査」

19年、1兆7403億円に拡大 製造業IoT、自動車が進化

富士経済(東京都中央区、清口正夫社長)は、コントローラ領域5品目、ドライブ&モータ領域8品目、センサー&ID領域7品目、受配電機器領域6品目の合計26品目の市場動向と、製造業のIoTについて調査・分析し、「2016年注目メカトロニクスパーツ市場実態調査」としてまとめた。そのなかでメカトロニクスパーツの国内市場と日系メーカーの海外販売が19年には1兆7403億円となり、15年の1兆6046億円から8.4%増になるとした。

■メカトロニクスパーツ市場とIoTプレーヤーの動向
メカトロニクスパーツ市場は2012年以降、14年まで拡大を続けたが、市場を牽引してきたスマートフォン関連の設備投資が一巡したことや、ヨーロッパと中国の景気停滞で15年は伸びが鈍化。16年もその傾向は続き、1兆5594億円と見込んでいる。17年以降は自動車のHV、EV化、自動運転による車載部品の変化、IoT化による需要拡大などでエレクトロニクス関連を中心に、市場は堅調に拡大。19年には1兆7403億円になると予測している。
また製造業のIoT対応にともなっって、主に日米欧の主要メーカーやICT関連ベンダーなどの間で提携が進展。ネットワーク接続やプラットフォーム利用は米国のICTベンダーが強く、GEとMicrosoft(プラットフォーム分野)、Cisco SystemsとIBM(データ解析技術)が提携を進めるなど、主要ICTベンダー間での連携が進んでいる。
■PLC市場予測
PLCは、15年は最大の販売地域である中国の景気停滞や設備投資需要の減少により市場の伸びが鈍化し、1777億円となった。16年は自動車関連やスマートフォン関連など、自動化ニーズを持つ産業向けで最終製品の販売不振が影響し設備投資が低調になるとみられ、市場は微減して1770億円の見込み。17年以降は自動車やスマートフォンなどの設備投資の改善が期待され、19年には1921億円(15年比8.1%増)と予測している。
■産業用RFIDシステム
産業用RFIDシステムは、第4次産業革命にともない、国内でも製造工程のIoT化や生産情報の管理に対する意識が向上しており、生産工程における個体認証や、製品のトレーサビリティを意識した生産ラインの改善が進んでいる。15年は、国内市場は自動車関連を中心に導入が進んで79億円となり、16年は81億円になる見込み。今後も堅調な拡大が予想され、19年には93億円(同17.7%増)になるとしている。
■固定式コードリーダ
センサ&ID領域の固定式コードリーダは、自動車関連や、電機・電子、機械・精密、食品・薬品・化学分野などで採用が増加し、市場が拡大。国内外とも市場の拡大が期待され、今後は特に海外市場に向けた日系メーカーの販売が増加するとみられる。最も市場の拡大が期待される自動車関連分野向けは、中国や東南アジアなどでの自動車生産の拡大と共に、コードリーダも需要が増加する見込み。国内では高価格品は自動車関連を中心に、低価格品は食品・薬品関連を中心に採用が増加すると予想。15年には97億円だったものが、16年には105億円、19年には120億円(同23.7%増)になる見込み。

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