日本半導体製造装置協会「拡大一途の半導体関連市場」牛田 一雄会長

謹んで新年のお慶びを申し上げます。旧年中は当協会の活動にひとかたならぬご協力をいただき、心から感謝申し上げます。

今年の半導体製造装置及びFPD製造装置の市場環境につきましては、ビッグデータ関連技術やIoTなどをベースに、スマート社会の実現に向けた第4次産業革命という技術革新を追い風として、昨年からの成長基調がしばらく続いていくと予想しています。

具体的にはデータ・サーバー用のメモリーとして期待されている3D・NANDフラッシュメモリーへの投資や、有機ELディスプレイを含む FPD産業への投資などが引き続き積極的に行われるとみており、特に国内においてはセンサーや車載関連といった自動運転を視野に入れた将来への投資が期待できるなど、半導体・FPD製造装置関連の市場は今後ますます拡大していく気配が感じられます。

ただ、一方で気がかりなこともあります。例えば、世界的に高まりつつある極端な保護貿易主義がその一つです。輸入関税を高く設定するような機運が強まる中で、日本の半導体業界・FPD業界の輸出競争力が弱まる可能性があり、また法人税においても日本だけが高いまま取り残されるような場合には、研究開発費の面で日系企業にとっての大きなリスクとなります。日本の産業界の競争力を維持・強化するためにも、当協会が経済産業大臣に提出している「税制改正に関する要望書」に記載されている「法人実効税率の引下げ」にご理解を頂けるよう今年も積極的に取り組む所存です。

ところで、一昨年より当協会では学生向けの業界啓蒙活動を推進しております。高専機構を通じた全国の高等専門学校への出前授業やセミコンジャパンでの大学生への業界のPRなど、積極的に次世代の人材育成に取り組んでいます。

また、経済産業省の2016年度「新興国市場開拓等事業費補助金(ミッション・見本市等出展支援事業)」を実施する補助事業者に公募し、インドへのミッション派遣、インド関係者のミッション招聘を進めました。

これらを通して、当協会の活動方針である「グローバルビジネス環境における協会プレゼンスの向上」と「グローバルビジネス環境下の会員会社にとって有益な情報共有の推進」を推し進め、半導体、FPD、さらに太陽電池製造装置業界の発展に寄与していきたいと思います。

最後に、皆様のますますのご発展とご活躍を祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

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