あけましておめでとうございます。
年頭に際し、所見を述べさせていただきます。
昨年の世界経済は、中国をはじめとする新興国、および先進国の一部に弱さが見られたものの、全体としては緩やかな回復が続きました。
そのような中、英国のEUからの離脱決定、米国のトランプ大統領誕生が象徴するように、保護主義への傾斜が見られ、これまで進展してきたグローバル化が大きな分岐点を迎え、世界経済の先行きが不透明となった1年でした。
日本に目を向けますと、為替の円高を背景に企業収益が伸び悩む中、個人消費が低迷し、経済は低調に推移しました。一方で、リオデジャネイロ五輪において日本が史上最多のメダルを獲得し、多くの希望と勇気がもたらされるとともに、準備が本格化している2020年の東京五輪開催に向けて大きな弾みがつきました。
世界経済の先行きには不透明感が高まる一方、AI、IoTなどの高度情報技術による繋がりやロボットを活用した仕組みが進展し、「インダストリ4.0」に代表される製造業の革新に向けた取り組みが進んでいます。さらに、このような取り組みが本格化していく中、時代を先取りして企業間で様々な業務提携が行われ、新たなグループ形成の動きが出てきています。
このように私たち日本の製造業を取り巻く環境は大きく変化しています。しかしながら、このような大きな変化に怯むことなく成長の好機と捉え、これらの新しい技術や仕組みを、私たち日本の製造業の「強み」である高付加価値な製品やサービスへと、知恵を絞り積極的に取り入れ付加することにより、その強みをさらに高めていくことが重要であると考えます。
これらを実現できれば、必ずや私たちはグローバル競争の中で打ち勝ち、世界の製造業を引き続き牽引していくことができるものと考えております。
従いまして、当工業会といたしましても、会員の皆様と強い信念を共有するとともに、これまで以上に連携を深め、日本の製造業の発展に寄与できますよう、積極的な活動を展開してまいる所存です。
最後になりましたが、会員企業様の益々のご発展と皆様のご健勝とご多幸を心より祈念し、年頭の挨拶とさせていただきます。