2017(平成29)年を迎えるにあたり、謹んで新年のごあいさつを申し上げます。
皆さまには、輝かしい新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
さて、昨年のわが国経済は、デフレから脱却を確実なものとし、経済再生と財政健全化を実現していくため、政府による日本再興戦略2016、ニッポン一億総活躍プランなど政策効果もあり一定の成果がありました。実質GDP成長率は、3四半期連続で増加し、景気の横ばい圏内の動きから抜け出しつつあるものの、中身は外需主導の回復であって、内需の伸びは小幅にとどまっており、回復の勢いに力強さは不足しています。
海外に目を向けると米国でのトランプ大統領の誕生決定を受けて、景気回復への期待は高まっているものの、TPPからの脱却など経済政策における不安定要素により先行きの不透明感が増してきています。さらに新興国市場においても消費ニーズの拡大への期待が大きいですが、中国を始めアジア新興国等の先行き、政策に対する不確実性などのリスク要因もあります。
政府においては、地域経済の早期回復や産業復旧に取り組んでいただくと同時に地域や中小企業事業者を含めた経済の好循環につながる施策を期待しております。
15年度のわが国包装機械産業の生産実績は、生産性向上設備投資促進税制の効果や海外市場開拓等もあり、対前年度比1.9%増の4085億円を記録しました。昨年に引き続き4000億円台を記録し、16年度はアジア、北米地区向けの輸出が好調のまま推移すれば、4000億円を維持できるのではないかと予測しています。しかし、わが国包装機械産業の輸出高は490億円で、生産高に占める割合は12%程度に過ぎません。グループ化が進む欧米諸国の中には輸出比率が70%を超える国もあり、海外での競争に打ち勝つためには、わが国もグループ化を視野に入れた戦略が必要な時期になっています。会員の皆さまには積極的に海外へ出ての情報収集、国内からは新製品・新技術情報を、全世界のユーザー企業に向けて発信することが海外市場開拓・拡大につながり、経営基盤安定化をもたらすと確信しています。
また、さまざまな分野においてロボット、IoT、ビッグデータ、AIなどの先端技術を活用しながら産業のイノベーションを起こしていくことが、製造業のみならず社会全体への進化につながるものと考えます。今後は企業間・産業間内の連携を強化し、新たな付加価値を高めていきたいと思います。
わが国包装機械産業は食品、医薬、日用品・化粧品等の生活産業すべてのユーザー企業の製造高度化に一層貢献するため、これまで以上に海外包装関連の調査研究、技術高度化、人材育成、広報・販売、展示会等の事業を幅広に展開いたします。これらの事業は理事会、各種事業委員会で事業内容の討議を重ね、会員の皆さまのベネフィットにつながる事業の具現化に努めてまいります。
本年10月には当会にとって最大のイベントである「JAPAN
PACK
2017(2017日本国際包装機械展)」を日本の包装機械産業の総力を結集して開催いたします。出展企業の新技術、新製品の発表や関連業界の皆さまとの共同事業などを展開していきます。関係の皆さまにはこれまで以上の絶大なご支援をいただきユーザー産業と包装関連産業双方の皆さまのビジネスに貢献していきたいと考えております。
17年は、当会が創立50周年を迎える節目の年になります。本年1月16日には多くの皆さまと創立50周年記念をお祝いしたいと思います。このような時期に会長職を務める重責を感じながらもこれまでの業界発展に貢献された先人の思いをかみ締めながら今後の10年、20年、さらには50年先を見据えて次世代へとつなげていく所存です。
本年も当会事業へのあたたかいご支援ご協力をお願い申し上げます。
年頭にあたり、皆さまのますますのご繁栄とご健勝を祈念し、ごあいさつとさせていただきます。