日本電気計測器工業会「展示会、さらなる発展・拡大」小野木 聖二会長

新年あけましておめでとうございます。2017年の年頭にあたり謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

16年の経済状況を振り返りますと、企業の収益は高い水準にあるものの、円高や国内消費物価の横ばい傾向、新興国の経済減速などにより、投資には慎重さも見られました。先行きについては、雇用情勢は改善しており、円安の傾向も出ていることから、緩やかな回復に向かうことが期待されています。

こうした状況のなか、当工業会の統計によると、電気計測器の16年度の売上高は、電気測定器、PA計測制御機器、環境計測器、放射線測定器がほぼ横ばいとなり、電力量計が引き続き大幅に伸びた結果、海外拠点の売上を含んだ数字では前年度比2.3%増の7992億円となる見込みです。2017年度については、8048億円の売上になると見通しています。

他方、社会面で16年を振り返りますと、今年もノーベル生理学・医学賞に大隅良典 東京工業大学栄誉教授が選出され、夏のリオ五輪において日本選手団の金メダルラッシュなど明るい話題がありましたが、英国のEU離脱や米国の大統領選など予想外の出来事が発生した年でもありました。

一方で産業界では、囲碁対戦用AI「AlphaGo」が人間のプロ囲碁棋士に勝利し更にAIが注目されるようになりました。

あらゆる電子機器から数値データがネットワークにより取れるIoT時代となり、その結果集められたビッグテータはAIで高速に解析、判断される時代を迎えております。

当工業会の会員企業の製品である「電気計測器」は、あらゆる工業分野の事業活動を支える「マザーツール」であり、開発から製造、維持・管理まで幅広い企業活動を支える設備として広く認知されてきましたが、IoT時代では更に重要性が増すとともに、異なる技術を持つ企業や産業と協調することが重要になりました。

このような、技術革新、産業構造変革の機会をとらえ、昨年度、日本電気計測器工業会では定款を変更し関連する事業を営む法人も正会員となる道を開き、更に新しいニーズ、シーズにも迅速に対応できるよう諸施策を強力に推進していきます。

工業会活動は「JEMIMAビジョン」及び「中期重点計画」に従って、
・工業会活動の「グローバル化」対応の推進
・「連携」強化による工業会活動の拡大
・会員満足のさらなる向上
の3項目を重点施策として実施して参りました。

「工業会活動の「グローバル化」対応の推進」として、今までイギリスをはじめとして多くの国と覚書(MOU)を締結してきましたが、今年度は新たに、日本企業が多く進出しているタイの泰日経済技術振興協会(TPA)と締結いたしました。

また、展示会では関西領事館フォーラムツアーやアフリカ留学生ツアー交流会なども行いました。

「『連携』強化による工業会活動の拡大」として、当工業会最大のイベントである展示会を情報発信の場だけでなく、技術と技術、企業と企業、産官学がお互いに接点が持てる交流の場、各種セミナーを充実させ現場の課題を解決する場ととらえています。昨年は11月9日から3日間
計測展2016
OSAKAを、グランキューブ大阪で「未来に鼓動する」をメインメッセージに、盛大に開催されました。

その結果は、46の企業・団体から133小間の出展を得た上、近畿経済産業局との特別連携企画、IT企業の講演など、講演・セミナーの充実を図り、聴講者数は約3000人となりました。来場者登録数も約6500人と前回比4%増となり、計測展OSAKAは総来場者1万人規模の展示会として定着してきました。

また、本年の計測展は11月29日から東京ビッグサイトで開催しますが、システム・コントロール・フェア(SCF)とは前回の2015年の「同時開催」から「合同開催」へと進化させ、両展示会の持つ特色を最大限に発揮した総合展示会として開催します。規模も西館全館を使用し、「第4次産業革命-つながる化-」という前回のテーマを継承し、さらに「IoTで未来を拓くものづくり新時代~概念からユースケース・実践へ」を目指して更に発展・拡大してまいりますので会員各位の絶大なるご支援ご協力をお願いします。

「会員満足のさらなる向上」に関しては、今年度、会員、非会員の方々のご意見をお聞きし、「今後の工業会のあり方」について検討を進めて参りました。技術革新、産業構造変革の時代に対応できるように、来年度より、部会を設け、理事の方にも協力いただいて、新しいニーズ、シーズにも迅速に対応できるよう推進していきます。

これからも、会員企業一同、計測と制御における総合力を発揮して新製品、新技術の開発に邁進し、わが国の製造業の競争力向上に寄与すべく活動を推進していく所存です。

最後になりましたが、日ごろ当工業会の事業運営にご協力いただいております各会員企業の皆様に深く感謝するとともに、本年もなお一層のご支援とご鞭撻を賜りますようお願い申し上げて新年のご挨拶とさせていただきます。

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