日本電設工業協会「生産性向上に繋がる「働き方改革」」山口 学会長

謹んで新春のご挨拶を申し上げます。

昨年は、熊本地震や北海道・東北地方への台風、阿蘇山の爆発的噴火など自然災害が続きました。経済・産業活動や国民生活を支えるライフラインを担う電設業界としては、災害への備えを改めて考えさせられた一年でした。

当協会は、新アクションプランに基づき、行動する電設協として「夢と生きがいのある電設業界」を目指して事業展開を進めます。

1若年層の入職促進の仕組みづくりに取り組むとともに、登録基幹技能者の処遇改善の具体化と適正評価の推進や、社会保険加入促進、女性の活躍、週休2日の確保、超過勤務の解消など、労働環境の改善に向けた取り組みを推進します。

また、建設技能労働者の大量離職時代を乗り切り、未来に繋がる生産体制を確保するため、ハード面、ソフト面を含めた生産性向上に向けた取り組みを促進します。

2品質の高い電気設備を提供するため「適正な価格での受注」を確保するとともに、適正な受電時期の確保に向けた取組みや設計図書の精度向上などにより「適正工期の確保」を目指します。また、工程のしわ寄せを受けている現場の実態調査も進め、関係者相互間での受電時期までの工事出来高チェック体制の確立を目指します。

3品質とコストの関係が透明かつ明確で改正品確法の理念にも適った分離発注の一層の浸透を目指し、「分離発注促進キャンペーン」を展開するとともに、分離発注の優位性について提案力の強化に取り組みます。

4電力の供給事情の変化や節電ニーズに的確に対応し、省エネルギー対策の強化と再生可能エネルギーの活用に積極的に取組むとともに、電力システム改革の方向性を見据えた新しいビジネスモデルのあり方を検討します。

5海外電気設備工事の品質向上に向けて、日本の強みである技術力の高さ、品質の良さ、安全管理、維持管理まで含めたライフサイクルコストの優位性等をアピールするとともに、人材育成を含めた国際貢献を目指します。

これらの重点目標の達成に向け、本部・支部及び都道府県協会が手を携え、更には関係機関・団体との連携を強化して参ります。

今我が国では政府・経済界を挙げて「働き方改革」への取り組みが始まっており、建設業においても「生産性の向上」や「働き方」が大きな課題となっています。一方、電気設備工事は様々なしわ寄せを受けやすく、現場への負担がますます大きなものになりかねないと危惧しています。

本年は、電設業界としても、現場負担の軽減、生産性の向上に繋がる「働き方改革」に新たに取り組んで参りたいと考えています。

結びに、皆様方のご健勝をお祈り申し上げ、新年のご挨拶と致します。

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