500億円市場に向け 北米アジアで好調
PD(プログラマブル表示器)は、コントローラの稼働監視やモニタリング、制御指示を行うタッチパネルディスプレイとして利用されている。
日本電気制御機器工業会(NECA)の統計によると、2015年度の出荷実績は国内が254億円、輸出が217億円の471億円だった。台数は、国内は前年から3万台増加して41万台、輸出は45万台となっている。アジア太平洋、北米が伸長したが、ヨーロッパが前年度比17%減と大きく減少した。産業別では、運搬機械が25%増、化学機械が23%増、開閉器制御装置が22%増と好調だったのに対し、PLC実績が好調だった工作・鍛圧機械、自動車製造設備、電気・電子製造設備、半導体製造設備で前年割れとなった。16年度は、15年度比5%増の498億円が見込まれている。
最近は単なるPLCとのコミュニケーションから、PDと各制御機器をI/O制御で通信接続し、各制御機器と直接コミュニケーションを図ることで、各制御機器の情報をより多く「見える化、生かせる化」することができ、エラー・ステータス・位置情報などの有益な情報を膨大に伝達することが可能になっている。位置合わせや機器調整時の連続運転などもPLCを使用しなくても可能なほか、トラブル時の内容把握時間の短縮や簡単な現地調整、システム全体の稼働状況の把握もできる。またスマートフォンやタブレット上で製造現場のHMI画面が操作できるソフトウェアで使い勝手が高まっているほか、マルチタッチやジェスチャー機能を搭載してスマートフォンのような直感的な操作ができる機種も増えている。またIoT機能を備えた無線LAN仕様のPDも普及し始めている。