スマートファクトリー、IoTで需要拡大を期待
FAセンサは、物の有無や計測、判別など多岐にわたる役割を果たす。スマートファクトリーやIoTで市場拡大が期待される分野の一つだ。
日本電気制御機器工業会(NECA)によると、検出用スイッチの2015年度の出荷実績は1036億円。国内が610億円、輸出が425億円となった。内訳は、非接触形が497億円、接触型が347億円、FA・インテリジェントが117億円、安全関連が75億円となっている。なかでも安全関連は15年度比23%増と好調だった。
各産業別の予測として、工作機械は老朽化設備の更新や中国での小型自動車取得に関する減税などが追い風となり省力化・自動化への投資が増加。ロボットは欧米での需要が底堅く、日本でも需要拡大の兆しが出ている。運搬機械は、クリーン搬送や港湾設備の省力化などの需要があり、半導体製造装置は緩やかな成長、自動車製造装置は中国経済の減速により横ばいと見込んでいる。
また社会インフラ、特に橋梁の劣化監視向けが新たな市場として浮上している。現在の人の目視による定期点検からセンサを使った監視の導入が見込まれ、100億円程度の市場があると予測されている。
FAセンサの中で代表的な光電センサは、LEDや半導体レーザを光源にした非接触センサとして主流となっている。最近は小型化と長距離検出、高い保護特性などが進み、検出距離メートル、保護特性IPKなどもある。
もう一つの代表的な近接センサは、耐環境性が良く、高温・多湿、防爆雰囲気、水中などで使用できるなど独自の特徴がある。6ミリ角の超小型タイプやオールメタルタイプも増え、金属体、非金属体の混流ラインでも使用可能。マイクロやリミットスイッチなどメカニカルセンサも、待機電力が不要なことやコストが抑えられることから採用が増える傾向にある。