電気自動車や自動運転、5G、IoTなど追い風
オシロスコープやスペクトラムアナライザ、信号発生器、電圧・電流・電力測定器、通信用測定器などの電気測定器の市場は、IoT需要の拡大による通信機器や電気自動車、エネルギー関連への投資増加を背景に堅調な伸びが進む。
日本電気計測器工業会(JEMIMA)によると、2015年度の電気測定器の売り上げ実績は14年度比3.9%減の1150億円。個別市場では、エネルギー管理用測定器が予測を大きく上回る9.5%増となったほか、汎用測定器も1.6%増と順調。対して、通信用測定器が2.3%減、その他の電気測定器が12.6%減だった。20年代に実用化が期待される自動運転者など新たな技術開発への投資は増加したが、スマートフォン市場の成熟やLTEネットワーク関連投資の鈍化の継続、その他の電気測定器の大きな落ち込みが原因とまとめている。
16年度の見通しは、15年度比2.2%増の1175億円。16年度以降は年平均3.2%で増加し、17年度1201億円、18年度1241億円、19年度1289億円、20年度に1333億円に達すると予測している。その要因として、CO2削減を目的とする電気自動車関連や自動運転関連技術投資の増加、次世代無線通信技術の5G、IoTによるネットワーク、端末関連への投資拡大への期待があり、その一方で、円高やイギリスのEU離脱、アメリカの新大統領、中国の経済成長の鈍化など、不透明性を挙げている。