2016年度は変電設備関連案件を中心に中東を中心とした海外向け直接取引に足踏みがみられたものの、電力・重電関連向け製品は堅調だった。一般機械、鉄道向けでは国内大手鉄道会社の新型車両で当社製品の採用が決まり、海外向け案件でも信頼性を武器に新規顧客の開拓が進むなど、次の成長の芽がでてきた。
次の成長に向けた準備として、17年春には13億円を投資し増築したみなみ草津工場が稼働をはじめる。今まで各工場で行っていた物流を一元化させるため、件数ベースで4割削減できる見込みだ。建物は6階建てで、クリーンルームも備え、フル稼働すると生産能力も4割向上する。製品単体だけではなく、鉄道向け製品など配線した状態での複合製品も生産できる体制にし、IoT技術の実証工場としての役割も担う。
現在商社機能を担う「商事部」は自社製品の他にも、親和性の高い提携先の製品を扱い、顧客ニーズにあわせた提案を進めていく。「生産技術部」はロボットを活用した社内生産設備の内製の他、特殊な部品加工の内製化で競争力強化に貢献しているが、今後成形金型の内製なども視野に入れ、コア技術を自社内に蓄積し、自己完結型のものづくりができる体制とし、将来的には外販も行える組織としていく。いずれも18年を目標に将来子会社としての法人化を見据えて人員を含めた体制を強化していく。新規事業としては、可視光通信を用いた制御盤内情報向け機器と、色覚障がい者も色を認識しやすいバリアフリーLEDに期待している。
「品質は一番確かなセールスマン」を永久標語に、22年に売り上げ100億円を目指した中期経営計画「VISION
100」を着実に実行していく。