2016年度の当社FA機器事業は為替変動の影響が大きかったものの、市場規模が大きい北米・欧州が堅調で、海外は現地通貨ベースでは8%程度の成長を示すことができそうだ。
17年はさらに海外の販売チャネルの開拓を進め、より裾野の広い顧客に提案を進めていき、そのための販売・サポートエリアを拡大する。欧州では新たにスペインに事務所を開設、メキシコ、カナダ、インドネシアにおける対応力も強化していく。また、中国においては大手販売店と提携を強化し、カバレッジを広げていく。特にSE力のあるチャネルとは協力関係を強化し、製品単体の販売だけではなく、ソリューションとして提供していく。さらに、昨年から注力しているEコマース各社との連携は引き続き強化し、エンドユーザー市場の開拓を進める。
国内市場に向けては海外に先駆けてエンドユーザー市場が拡大した。特に製造業でIoT化が具体的に進展し、無線機器や、ネットワーク機器、自由に発光色や動作モードの設定が可能な積層情報表示灯の売り上げが伸び、これらの製品群では前年比約4割売り上げがアップする見込みだ。現場の稼働管理としてソフトウェアメーカーやエンジニアリングパートナーとの協業も進んでいる。
17年は当社主力製品である積層信号灯の新製品「LRシリーズ」が本格的に業績に寄与してくる。開発・製造・販売にわたる経営改革を最初に具現化した製品で、光の見えやすさ、音の聞こえやすさ、使いやすさ、耐環境性など基本性能にこだわった。また、スタッカブル構造を採用し、色の組み替えや増段、減段が簡単にできるため、販売店も在庫しやすくなる。製造側の視点でも型式集約が可能となり、製造工程の効率化やリードタイムの短縮に貢献する。