2016年9月期の売り上げは、前年同期比約5%ダウンした。国内全般に景気が良いという話はあまり聞こえて来ない。当社の製品は、社会インフラに関連する電源切換開閉機器、高圧真空電磁接触器、直流電磁接触器、工業用端子台、各種継電器、電動車両関連機器、太陽光関連機器などである。日頃の生活に直結する製品が多く、地味ながら社会の要請に貢献できていると思う。
今期は前年度比20%増の売り上げを目指して取り組んでいる。
日本は交流から直流社会へ向かっている。低炭素社会は直流システムが不可欠である。直流制御のPV(太陽光発電)市場は、メガソーラーの立地が減少しているものの、直流電源ニーズと用途は、効率の良さなどから今後ますます広がるのは確実である。
ただ、直流は交流に比べ、接点のアーク処理に高い技術力が求められる難しさがある。直流志向の流れは、こうした直流機器に対応した技術に強みを持つ当社にとって大きな追い風になるものと期待している。
すでに直流機器の試験用バッテリー装置を本社工場と千曲工場に設置している。千曲工場では最大350個の12Ⅴ120Ahのバッテリーを接続した試験が可能になっている。これだけの試験設備があるところは国内でも少ないことから、外部からの試験利用ができるように貸し出しを行っている。直流機器の大きな市場のひとつである鉄道車両向けでは、当社の製品が数多く採用されており、大手の電機メーカーを経由して国内外の鉄道車両制御で利用されている。こうした実績は当社への大きな信頼となって、「直流ならWashiON共立継器」というブランド定着に大きな役割を果たしている。今年も社会生活に貢献するものづくりを通じて、日本経済の発展に繋がる努力を継続していきたい。