長野計器「差別化できる製品開発」依田 恵夫 代表取締役社長

2016年は大幅な為替変動や原油価格下落による設備投資の低迷があったものの、台湾・中国を主体に半導体ガス関連向け圧力計・圧力センサが好調で、高圧水素用圧力計・圧力センサも高い評価を頂いた。車載用圧力センサを製造するドイツの合弁子会社JADEも順調に立ち上がった。また、当社が保有する「分銅式標準圧力計」が国立科学博物館の重要科学技術史資料(未来技術遺産)に登録されるなど明るい話題もあった。

17年は重点拡充分野として掲げている「食品・薬品・化粧品業界向けサニタリ製品」「水素エネルギー分野」「IoT化が加速される産業機械分野」に経営資源を集中し、景気に左右されない企業体質とする上で、差別化ができる製品開発を継続する。車載用途は市場成長率が高く、ドイツ子会社で高効率生産方式を確立させ、競争力を高めて欧州・中国市場向けに圧力センサ事業の拡大を推進する。一般産業は、グループ内シナジーを再度見直し、グローバルな販売ネットワークの再構築に踏み切る。また、昨年新たな計測事業として、FBG(光ファイバー)センサとデータロガー(測定器)の販売を開始し、社会インフラ維持・管理市場を主体にシステム製品の販売にも注力していく。BLUEDGEの取り組みも相互販売などを中心に進めていく。

IoTの普及など産業構造の変化に追従できる製品・サービス事業への転換が急がれるが、慎重に検討を進めていく。日本の製造業は新興国のコスト競争力という脅威はあるが、技術に自信をもち、その品質の高さやモノ作りのきめ細かさがある限り負けることはないと考える。当社はこれからもお客さまへの安全・安心を提供できる体制をより強化していく。

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