2016年4月から新5カ年中期経営計画「DREAM2020」をスタートさせている。D(ダイキャスト)、R(R&D)、E(エレクトロニクス)、A(アルマイト)、M(MIM=金属粉末射出成型)の主要事業を発展させ、「夢」の実現を目指していく。
16年3月まで展開してきた「PLAN115」中期計画では、売り上げが約95億円とほぼ達成したが、利益面では計画通りにいかなかった。新中期計画では過去の反省も含め、技術を向上させて売り上げを上げていく一方、利益確保を重視した展開を進める。
すでに原価低減と生産工程の見直しに着手している。タイ工場では検査などの生産工程の自動化を進め、全グループにおいても生産体制を見直している。中国のアルミ加工工場であるオータックス精機も、歩留まりの向上を図り、コストを極力追求しながら顧客を広げ、中国深の電子部品工場も、組み立て・検査・梱包などの自動化投資を行うことで、17年には従業員数をピーク時の3分の1以下の800人ぐらいで生産できるようにしたい。
17年3月期の売り上げは103億円を見込んでいる。電子部品関係は厳しい環境の中で成長を図り、アルミ関連は上振れが予測できる。MIMは携帯電話のほか、イヤホン・ヘッドホン部品や光通信部品などで有力顧客の開拓が進んでいる。いままで取り組んできたスイッチの取引からアルミ関連へ、さらにアルミ関連の仕事からMIMでの取引と連鎖的なシナジー効果が生まれて、さらに新規の市場と顧客開拓に繋がってきている。また、財務体質の強化へ自己資本比率とROEのアップにも取り組む。今年はタイ工場を活用した生産と営業展開を強めていきたい。タイ工場の生産品目を拡大しながら、アジア圏でグループを挙げて市場ニーズに合わせ製造サービスを提供していき、インド市場も視野に入れていく。