スマートフォンやビッグデータ、IoTの隆盛を背景に、半導体製造装置市場が急拡大している。SEAJ(日本半導体製造装置協会)が発表した2016年度から18年度の需要予測によると、16年度の半導体製造装置とFPD製造装置の合計は1兆9805億円に達し、17年度には1兆9902億円まで拡大するとしている。2兆円産業に間も無く手が届くところまで来ている。
同予測は、SEAJが毎年行っているもので、16年度から18年度の3年間における、半導体製造装置の日本製装置と日本市場販売高、FPD製造装置の販売高の見通しを調査・公開している。
■1兆5000億円を超える半導体製造装置
半導体産業を取り巻く環境について、電子機器市場はPCの需要低迷、スマートフォンも成長がいったん鈍化しているが、サーバー、ストレージ関連の成長、スマートフォンの高機能化のほか、ビッグデータや自動運転、AIなど新しい成長の芽が育ってきている。世界半導体市場統計(WSTS)の秋季予測でも、DRAMの需要増大と価格底打ちによる急回復、NAND、ロジックも市場回復が見込まれ、半導体全体で17年は3.3%、18年も2.3%増の緩やかな成長を予測している。
半導体製造装置の需要は、16年度はファウンドリやロジックメーカーの投資再開、3DNAND向け投資の増加によって11.6%増の1兆4605億円と予測。17年度も堅調が続き、3.4%増の1兆5102億円、18年度には世界経済の安定成長を見込んで1.2%増の1兆5283億円に達すると見ている。
■73.7%増5200億円と急拡大の16年度のFPD製造装置
FPD産業は、数量ではスマートフォン、面積ではテレビが牽引。テレビは大型化・高精細化が進んで安定成長が続き、パネル価格もLCDラインの閉鎖やOLED(有機EL)ラインへの移行によって下げ止まりが解消。上昇傾向に転じている。パネルメーカーも今後、OLEDパネルやより高精細パネルに向かうと予想され、設備投資の増加が期待されている。
FPD製造装置の需要は、16年度は中国と台湾市場に加え、台湾と日本の投資が加わって73.7%増の5200億円を見込む。17年度は調整が入って7.7%減の4800億円、18年度も調整局面の影響で12.5%減の4200億円と予測している。