昭電(東京都墨田区、太田光昭代表取締役社長)は、オランダFox-IT社の「Foxデータダイオード」の販売を1月から開始した。年間20セットの販売を計画している。
Foxデータダイオードは、発電所や大規模プラントなどの産業制御システムを、外部ネットワークに接続することで発生するセキュリティリスクから守るためのネットワーク製品。ファイアウォールやIPS(侵入防止システム)などのソフトウェアに依存する従来のセキュリティ製品とは異なり、ネットワーク間を物理的に片方向の通信環境で接続することで、システム異常停止などの重大なセキュリティ事故から制御システムを完全に保護する。Foxデータダイオードは、Modbusをはじめとした多くの産業用プロトコルを1セットサポートでき、それらを複数、同時に稼働させることができる。また、コンピュータセキュリティのための国際規格であるコモンクライテリアで、最高のセキュリティレベルである「CC EAL 7+」の認証を受けている。
Fox-IT社は2006年からデータダイオードの販売を開始し、海外では政府機関や防衛関係などの重要インフラを中心に2000セットの導入実績を有する。
近年、社会インフラはネットワークの高度化やIoT、M2Mなどで効率化が進められている一方、サイバーテロによる攻撃の脅威が深刻な問題になっている。サイバー攻撃による影響は被害を受けた企業にとどまらず広範に及び、甚大な被害につながる。
昭電は総合安全企業として、社会インフラ事業者をはじめ、各企業の安全対策を支える事業に力を入れて取り組んでいるが、Foxデータダイオードについても、設計・導入・保守の各種エンジニアリングサービス、ファシリティ工事を含めワンストップでシステムを提供していく。
同社では同時に、施設内へのマルウェア持ち込みを制御する端末「メタディフェンダーキオスク」の販売も開始した。