2016年は産業向けに32ビットマイコンRXファミリを採用いただく件数が増加し、ACサーボ向けのマイクロプロセッサRZ/T1シリーズと合わせて、15年の1.3倍のペースで推移した。これはマイコンの世代交代の波が来ているのではないかと見ている。
17年はFA領域での中国の好調が継続、ドイツも設備投資に回復感があると見ているが、米国は未知数だ。
注力する分野や製品としては、当社グループ工場でクロスコンパス・インテリジェンス社と実証した人工知能(AI)を応用した異常検知システムが、実装段階に入り、多くの装置への設置に向けて検討が始まった。今後は、パートナーとなるSIerを通して外部にも提供していきたいと考えており、多くの採用を期待したい。同時に、FAで実績を出した人工知能(AI)を他の分野にも展開すべく、e-AI(AIの組み込み)を構想している。既存のマイコンなどにも応用し、ネットに繋がらなくても自律し、センシング結果をその場で判断するリアルタイム性を提供していきたい。
産業ネットワークの領域では各プロトコルに特化した製品群を準備していく。ACサーボの領域ではマイクロプロセッサRZ/T1に新製品を、中国・新興国向けには32ビットマイコンRXファミリベースのモータソリューションを提供していくつもりだ。その過程でR-INコンソーシアムのパートナー連携によるソリューション提供を拡大していきたい。また、スマートメータ(電力)で実績のあるPLC(電力線通信)はFA領域にもソリューションを開発し転用を進める。当社はSociety5.0を支えるため「スマートファクトリ」「スマートホーム」「スマートインフラ」の3つの領域に特に投資を重くしていく方針だ。