2016年の感触はまずまず。当社は自動車や航空機のイメージが強いが、16年は電力会社やベンダーのプロジェクト管理など多様な産業に広げることができた。12年から始めた「3Dエクスペリエンス」戦略が本格化した一年だったと思う。特徴的だった点は2つ。1点目は、お客様が当社をアプリケーションベンダーではなく、「ソリューションプロバイダー」として見てくれるようになった。おかげでサービス導入からコンサルティング、実装まで行う大型案件の受注が計画比の2倍になった。ただ、想定を遥かに超える反響だったため、対応できる人材の確保と配置が課題だ。2点目はSOLIDWORKSが絶好調。SOLIDWORKS2017は使い勝手が良く、他のCADデータも扱えるようになった。他社製品からの移行が増え、シェアも4割に近く、3D
CADのスタンダードになりつつある。
17年はプラットフォームビジネスが本格化し、これまで以上に単品売りからソリューションで選ぶ時代がやってくる。セールス・マーケティングから、設計、製造、ロジスティクスまで、全工程で効率化が必要で、それに積極的に取り組む企業を支援していく。新たな取り組みとして「自治体向けソリューション」に力を入れる。現在、シンガポール政府と連携して、3DEXPERIENCEプラットフォームとビッグデータで競争力の高い国づくりを行っている。その様子を12月に大阪で行った日仏イノベーション年フォーラムで解説したところ、多くの自治体から関心が寄せられている。今年から国内に展開し、地方創生に取り組んでいく。また昨年12月には経団連への加盟が承認され、世界の新しい情報を日本の産業界に発信してほしいと歓迎いただいた。経団連加盟企業として責任ある振る舞いをするためにも、もう一度人材教育や制度も含めて見直していきたい。