2016年は、デジタル変革がもたらす可能性とリスクが、企業の経営層に明確に認知された1年だった。「ITはビジネスを支えるだけのものではなく、ビジネスを変えるもの」ということが浸透しつつあることを実感した。また「イノベーションビジネス」が、本格的に立ち上がった1年でもあった。デザインシンキングをお客様とともに数多く実践し、有効な手法であることを実証できた。2017年は、業界別デジタル変革フレームワークの展開を通じて、具体的な製品・ソリューションに裏打ちされたデジタル変革を推進していく。
SAP S4/HANA(R)のクラウドラインアップも出揃い、SAPは基幹システムを含めたエンド・ツー・エンドのクラウドを、あらゆる業界に最適化した形で提供できる企業となった。「企業システムのフルクラウド化」によって、守りと攻めのITのそれぞれに適切な変革を起こすことを目指す。
さらに、組織やひとの面を含めた「戦略投資」を拡大する。これまでグローバルの業界・開発組織と共同して、電力・ガス業界、自動車業界向けに業界ごとのデジタル変革を支援する専門部隊を日本向けに設置してきたが、他の業界にも拡大していく。中堅・中小市場向けのクラウドビジネスにも積極的にフォーカスし、大幅に組織を拡張する。人材面では、日本法人のグローバル化とローカル化の推進(グローカリゼーション)、キャリアや働き方の多様化・多様性を促進していく
2017年は、日本がデジタル変革の領域で世界と伍していくための重要な年だ。「経営層にむけたデジタル変革のさらなる推進」「企業システムのフルクラウド化の進展」「戦略投資の拡大」の3つの重点テーマのもと、イノベーションの創出に取り組んでいく。