2016年の世界市況は、中国経済の減速やイギリスのEU離脱による信用不安、アメリカ大統領選挙、原油安等、波乱含みの様相を呈していた。国内に目を向けると、官公需の下支えによる緩やかな回復基調が続き、企業収益や設備投資も底堅い動きを見せていた。
当社の16年12月期の売り上げは、昨年販売を開始した新型盤用クーラーBlue e+や、主力製品である大型キャビネットTS8連結システム等は堅調だったが、得意分野である輸出関連が軟調に推移し、厳しい展開となった。17年の国内市場に目を向けると、やはり2020年の東京オリンピックに向け、堅調に推移する予測が多い。当社もそれに歩調をあわせるべく、関東以北をカバーする北関東営業所、九州地区をカバーする西日本営業所を新設し、既存の新横浜本社、中部、近畿支店と合わせ、5カ所の営業拠点を設置し、多くのお客様に対して充実したサポートを提供する体制を整えた。また、物流拠点として昨年8月に開設した小田原プロダクトサポートセンターでは、納期短縮や柔軟な加工要求への対応に主眼をおいた加工センターを設置した。同センターには、昨年設立したリタールオートメーションシステムズ社製の最新切削加工機Perforexを導入し、組立/加工を自社内で完結することにより、高い品質を確保しつつ短納期で製品をお客様へ提供することが可能となった。当社の製品は、多くの国際認証を取得し、また人間工学に基づく優れたデザインとユーザーインターフェースを持っている。電気CADツールを展開する姉妹企業のEPLAN、切削加工等の各種加工機を持つリタールオートメーションシステムズと合わせ、価値あるバリューチェーンを提供、産業界のニーズに対応し、17年も製造業の下支えに貢献していきたいと考えている。