2016年度のロボット事業は、市場が一進一退の中で、ロボット需要が様々な産業で増加しており、台数ベースで約10%増加する見込みである。しかし、為替のマイナス影響を大きく受けて、16年3月期のロボットセグメントの売上高は1395億円(前年比9.5%減)、営業利益110億円(同28.5%減)の減収減益を予想している。
国内、及び欧州の自動車産業が旺盛な設備投資により需要が好調で、中国についても自動車、一般向けが共に好調に推移している。欧州は市場全体が堅調で、米国も市況は悪くないものの、市場の成長性の観点で物足りない印象があるが、大統領選挙後の設備投資再開の気配に注視している。中国は15年後半から16年の第1Qまでは需要が低迷したが、その後回復した。
17年も良い状況が続くと思う。自動車市場を中心に引き続き堅調が見込まれ、スマホ関連も17年以降の次期新製品向けの設備投資需要の立ち上がりが期待できる。特に、自動車産業と中国の3C(コンピュータ、家電、通信機器)産業におけるさらなる自動化推進に期待している。
さらに今後、人共存ロボットの果たす役割が大きくなるとみており、注力していく。
18年9月から、スロベニアでのロボット生産開始を予定している。エンドユーザーにより近いところで、ニーズを的確につかみ、その市場に最適なソリューションを提供していく。また、生産拠点だけでなく、国内・米国・欧州・中国の世界4極に開発拠点も整備していく方針である。
ⅠoTやインダストリー4.0といったキーワードにより、グローバルの製造業で革新が起ころうとしている。この流れの中で、日本が果たす役割は大きく、当社にとっても追い風になっており、先行きは明るいだろう。