デンソーウェーブ「顧客視点で考え行動」中川 弘靖 代表取締役社長

2016年は国内外ともに業績は順調に推移した。自動認識分野ではPOSシステムなど向けに既存製品が堅調だった。パスポートスキャナは訪日外国人の増加に伴い、免税店などでの導入が進んでいる。特にOCR(文字認識)機能により、従来は手書きでパスポート番号を書き込んでいた作業を自動化できる点を評価いただいた。

工場分野でもQRコードを開発した当社技術を活用しながら、RFID技術と組み合わせ、在庫管理や工場間物流などで用途開発が進んでいる。先進技術は社内ユースからはじめ、順次顧客提案を進めていきたい。

産業用ロボットにおいては、今後の成長に向けての種まきができた。今年は基本性能を徹底追求した高速スカラロボット「HSRシリーズ」を中心とした製造現場の生産性向上に関する提案と、卓上型の協働ロボット「COBOTTA(コボッタ)」に象徴される人と協働し、寄り添う安全・安心なロボットの提案を一層強化していく。これらを通じ、市場ニーズにしっかり応えていきたい。

産業用ロボットはシステムアップが不可欠なため、パートナーと共に現場に入り込んで、自動車業界で培ったノウハウを基にこれら提案型ビジネスを強化し、収穫の年にしていく。

また、将棋コンピュータソフトの指し手を成駒まで再現する「新電王手さん」、AIで東京大学合格を目指す「東ロボくん」で活用された「東ロボ手くん」などでも当社の先進性を示し、安全柵に入っているのではなく、人と一緒に行動することを通じ、ロボットを身近に感じていただけたと考えている。

社員一人一人が常にお客様視点で考え行動することを心がけ、社会全体に貢献していく企業を目指していく。

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