日本電気制御機器工業会(NECA、曽禰寛純会長)は、第4次産業革命の動向を分析し、制御機器を活用した2030年のものづくりの未来の姿を提言としてまとめた報告書「NECAが目指すものづくりの将来像~5ZEROマニュファクチャリング~」を公開した。
報告書の目玉である「5ZEROマニュファクチャリング」とは、QCD活動によって、制御機器を活用したものづくりがどのような姿に進化するかをロードマップとして示し、「C(コスト)で生産ロスゼロ、Q(品質)で欠陥ゼロ、D(納期)で納期遅延ゼロ、S(安全・セキュリティ)で事故ゼロ、設備保全で生産ライン停止ゼロ」の5つのゼロではじまる究極のものづくりの姿を描いている。また進化を、「手動、一部自動化の段階」のレベル1から、「機械+AI、自律」のレベル4まで定義。このレベルに応じて、製造現場に存在する匠の技を教育、アーカイブ化、再現技術と進化させることで究極のゼロを目指す。
報告書作成を担当した葉山洋一企画委員会委員長兼第4次産業革命検WG委員長は「日本には匠の世界があり、それをいかにIoTで継承し、AIやロボットを使って進化させていくかが大事」とし、ムダを徹底的に排除しQCDの基本として世界に広がっているトヨタ生産方式に、日本の従来のものづくりの強みである安全を加え、制御機器によってQCDSを進化させていく姿を報告書にまとめているとした。
同会は次のステップとして、報告書をもとに具体的な実現の方法を継続して検討していく。