IO-Link協会 日本支部設立を決定 4月にも活動開始 国内での普及加速

FAフィールドネットワークの最下層に位置するセンサデバイスまでの双方向通信が可能になることで注目を集めている「IO-Linkシステム」の普及に取り組むコンソーシアム「IO-Link協会」(本部=ドイツ)に日本支部が設立されることになった。2月8日開かれた産業オープンネット展の説明会で、日本プロフィバス協会の元吉伸一会長が明らかにした。

各フィールドバス団体も連携

今年4月にも活動を開始する予定で今後、会員の募集、協会事務局の設置、幹事会社の選出など進める。

IO-Linkシステムは、IEC61131-9で規定されたセンサ・アクチュエータとの通信のためのI/Oテクノロジー。センサやアクチュエータなどのIO-Linkデバイスと標準3線ケーブル・コネクタ、IO-Linkマスタで構成。マスタとデバイスは1対1の双方向通信で、接続ケーブルは従来の標準的なセンサケーブルを使用する。

IO-Linkシステムは、ドイツの自動車メーカーからのセンサやアクチュエータの情報内容がわからずトラブル時の対応がしづらいという要望に応え、稼働情報を見えるようにするために2006年に開発した。

従来別々配線だったデジタル信号やアナログ信号などをIO-Linkで標準化できることも大きなメリットとなっている。

10年には、PROFINETやPROFIBUSを推進しているPI(プロフィバスインターナショナル)のコンソーシアムの1つとしてIO-Link協会が設立された。

16年現在、グローバルで約130社が加盟しており、日本でも三菱電機、オムロン、キーエンス、SMC、ルネサスエレクトロニクス、アズビル、CKDなどが入会している。

また、出荷ノード数は15年までの累計で約360万となっており、14年約90万、15年約140万とここ2年で急速に普及している。

IO-Linkより歴史の長いフィールドバスのPROFINET/PROFIBUS、EtherNET/IP、CC-Linkなどの出荷台数も100万~200万台であることから、IO-Linkの急伸長が目立つ。

IO-Link協会日本支部設立にあたっては、フィールドバスの各団体も連携した動きで推進しており、今後日本でも急速に普及が進むものと注目を集めている。

IO-Link協会では日本支部設立と平行して日本語のホームページも開設し、普及に向けた情報発信を強化すると共に、今年8月に開催される産業オープンネット展では、共催団体の1つに加わり普及活動を加速していく計画。

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